日本を輸出大国にした「コンテナ」知られざる凄さ ただの「鉄の箱」じゃない!グローバル化の立役者

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ウォルマートの価格戦略はEDLP(エブリデイ・ロープライス)と呼ばれ、時期を選んで一部の品目を安くする特売を行わず、つねに低価格で商品を販売していることで知られています。EDLP戦略には、在庫や作業の変動を抑えることで人件費を削減できる、特売日を知らせるための広告費を抑えられるなどの利点があります。しかし、この戦略を遂行して利益を拡大するためには、さらにコストを抑え続ける必要があるのです。

この点について、ミズーリ大学のバスカー准教授は、ウォルマートで採用される技術水準の向上が1店舗あたりのコスト削減を、そして店舗数の増加という形での規模の拡大がウォルマート全体のコスト削減を可能にしていると説明しました。また、値下げによって需要量を増やし、さらなる規模の拡大につなげています。

バスカー准教授は、規模の拡大が進むことで、中国や東南アジアからの輸入による利益が生じるようになると述べています。

規模の拡大が実現するとメリットを享受できる

海外からの輸入を行えば、物流コストや関税を含めても製品や部品の単価は削減できますが、輸入を開始するまでに業者選定や契約締結などの作業が必要になり、コストもかかります。

このようなコストを考慮すると、輸入する必要のある品物が少なかったり、金額が小さかったりする場合には、輸入を行うことで製品や部品の単価がかえって高くつく可能性があります。

一方で規模の拡大が実現することで、一定の輸入量を確保できるようになっていると、一回の契約で購入する製品や部品の数が多くなり、海外の製品や部品の安さというメリットを十二分に享受できるようになるのです。

また、中国や東南アジアから輸入する品物は単価の低い品目であることが多く、単位当たり輸送コストの低いコンテナでの輸送が適しています。こうした背景から、ウォルマートのコスト削減、売り上げの増大に反映される規模の拡大が、北米往航荷動きの増大につながっているのです。

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