「メタバース」が一瞬のブームで終わらなそうな訳 日本でも続々と大企業が参入を開始している

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メタバースを利用する際に、私たちはどのようなトラブルに注意すべきなのでしょうか?

まず、メタバースは、非常に多くの当事者が関わっているサービスのため、1つのメタバースだけでも数多くの「利用規約」が存在するなどルールが複雑化しやすく、さまざまな法律問題が生じ得ます。とりわけ未成年者をはじめとする判断力が未成熟な利用者を、いかに保護するかが重要になってくるでしょう。

さらに、メタバースを利用する上で、忘れてはならないのがさまざまな「権利」の問題です。自分の行動が、肖像権、パブリシティ権、著作権、商標権などを侵害していないか、細心の注意を払う必要があります。

たとえば、もし、著名人を含む他人の顔をアバターに使って誰かに迷惑をかけたりした場合、名誉毀損・信用毀損といった問題にも発展しかねません。

メタバースで活動しているアバターの向こう側には現実で生活している人がいるわけで、セクハラやパワハラなど現実で起こり得るトラブルは、メタバース内でも起こります。

また、AIの発達により言語を問わずスムーズにコミュニケーションができるようになると、国籍を問わずさまざまなユーザーがサービスを利用することが可能となり、サービス内で越境取引が行われる可能性がどんどん高まります。

そこで生じたトラブルをどのように法的に解決するのかが、今後の課題です。

メタバース市場は3つのレイヤーからなる

世界中の企業が熱い視線を向けているメタバース市場は、大きく分けて3つのマーケットレイヤーに分類できます。その3つとは、①体験、②デバイス、③空間です。

体験はゲームやイベントなど実際に楽しめるコンテンツやサービスを提供することを、デバイスはヘッドマウントディスプレイなどのインターフェースを製造販売することを、空間はメタバースプラットフォームを個々のサービス事業者に提供することを指します。

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