EV普及で「オーストラリア」が超重要国になった訳 日本にとっても大事なリチウム供給国になった
加速する産業構造の転換
最近「脱炭素社会」という理念が世間を騒がせています。SDGsの17目標の1つ、「気候変動に具体的な対策を」にもあるように、とりわけ「炭素」が目の敵にされています。
地球温暖化が叫ばれるきっかけとなったのは、1992年の地球サミット(国連環境開発会議)だったように思います。その後、京都議定書が発効され、「先進国だけでなく、途上国にも温室効果ガスの排出削減の努力を求めよう!」とパリ協定が結ばれました。
自動車業界では、ガソリン車をなくし、電気自動車(EV)の開発を急ごうとする動きが進んでいます。電気自動車はガソリン車と比べて部品数が少ないことで知られています。そのため、電気自動車への産業構造の転換は、日本国内から雇用が失われることとなるだけでなく、「資源小国」である日本ではエネルギー資源の海外依存がこれまで以上に進むと考えられます。
はたして、「世界の潮流はこうだから!」とそれに倣うことが、本当に日本の国益になるのかと、私は単純に疑問を抱いています。日本自動車工業会会長であり、トヨタ自動車の豊田章男会長は、「車がすべて電気自動車になればいいという、そんな単純なものではない」とコメントされています。
まず電気自動車を作るには、電池が必要です。そして、それはリチウムなしでは製造できません。単純な話として、電気自動車の普及が進めば進むほど、「リチウムの安定供給」が課題となります。実際に2023年には需要が供給を上回ると考えられていますので、供給量の増大は急務といえます。
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