U-NEXTとParavi統合で「国内ドラマ」何が起こる 「大胆予想」テレビ局系サービスは1つになる?
そこにTBSとテレビ東京の国内ドラマが加われば強みが大きく増すだろう。そしてさらに全局の国内ドラマが加われば、日本市場に限ってはNetflixと互角以上に戦えるようになる。それは結局、テレビ局にとっても頼もしい存在になるはずで、国内エンタメ産業全体にとって良い流れになるのではないだろうか。
堤氏も「国内ドラマに関しては相対的に弱かったのを、今回の提携で日本のドラマにおいても質量共に戦っていける思いがあります。映画とアニメの優位性を維持しながらNetflixなど他のサービスが強みとしているドラマ領域でも勝負ができるのではと考えています」と述べている。
良質なオリジナル作品が求められる
海外勢に目を向けると、Netflixの成長に影が差し広告付きプランを慌てて開始して摩擦を起こしたり、Disney+は赤字でグループ全体の足を引っ張りディズニーCEOにボブ・アイガー氏が戻ったり、SVOD業界は揺れている。彼らは会員数を増やすことに躍起になるあまりに、コンテンツにどんどん投資し、マーケティング費用も莫大にかけてきた。その結果Disney+は1億6千万人、Netflixは2億3千万人の会員を獲得したが、先行投資型の経営が市場の急成長の鈍化で裏目に出ているのだろう。特にオリジナルコンテンツの製作に血道を上げてきた結果、どれがどんな作品か伝わらなくなっている。
Disney+には『スター・ウォーズ』や『アベンジャーズ』の世界観を広げるスピンオフ作品が山のようにあり、どれがどの延長にあり世界がどう繋がっているのか、把握するのも大変だ。
Netflixには次々に世界中のドラマシリーズが配信され、知らない俳優のよくわからない設定のサムネイルが画面に並び、選ぶきっかけがつかめない。しかも内容がエグいものや、重たいものが多く似通って見える。結果日本のドラマを選んだら、それは今放送中のもので、翌週からはNetflixではなく地上波放送で見ていたりする。
やたらとドラマを作ればいいわけでもないことが見えてきたが、SVODサービスにはオリジナル作品が求められるのも事実だ。堤社長はその辺り、堅実かつ意欲的な姿勢を見せる。
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