U-NEXTとParavi統合で「国内ドラマ」何が起こる 「大胆予想」テレビ局系サービスは1つになる?
テレビ局が運営するSVODはTBS・テレビ東京のParavi以外にも日本テレビのHulu、フジテレビのFOD、テレビ朝日がKDDIと共同で運営するTELASAがある。宇野氏の宣言を聞くと、Paravi以外も統合していくのかと考えてしまう。だがU-NEXTを直接運営する立場の堤氏は、逆に謙虚な物言いだ。

「我々のほうから決められることではありません。ただ我々のスタンスとしては今回の統合のみならず、他の国内の事業者さんにもオープンなスタンスでおります。提携なのか、サービスの融合なのか、いろいろなレイヤーの話があるかと思います。そういったお話は、建設的にディスカッションさせていただきたいとは思ってます」
サブスクサービスの収益化は難しい
来る者は拒まない姿勢を、あくまで謙虚に、だがはっきり打ち出している。
各テレビ局の考え方次第で、様子を見るのだろう。ただサブスクサービスはかなりの規模にならないと収益化は難しいようだ。ここへ来て各局とも悩み始めているとの噂も聞く。
これから数年で合従連衡が進み、残りのテレビ局系サービスがまとまりU-NEXTと2強体制になるか、すべてがU-NEXTに統合されるかのどちらかに落ち着くと筆者は見る。そしてユーザーからすると、後者のほうが便利だ。今、テレビ番組はリアルタイムで見なくても1週間以内ならTVerで視聴できることがかなり認知されている。だがドラマの1話から見るには局ごとに違うサービスに加入する必要があり、かなりの金額になってしまう。テレビ局が自分のコンテンツを自由に見てもらうためにはサービスを一本化すべきなのだ。
U-NEXTは今回の統合で、国内ドラマを武器に加えた。元々は映画とアニメを売りに、レンタルビデオの代替サービスとして打ち出し伸びてきた。2021年にはワーナーとの提携でHBO、HBO Max作品の独占配信を始めた。HBOはドラマの最強ブランドの1つで、本国アメリカでは『ゲーム・オブ・スローンズ』がヒットするなど評価が高い。筆者も見応えあるドラマシリーズを2021年以降楽しむことができた。この独占配信でNetflixと張り合う素地が固められた。

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