このスマートフォンでの撮影というのは「飛び道具」であり、簡易に誰でも撮影ができる。電車内で火を放ち、人々を刺すような事件があった際には、乗客たちが避難をしながらスマホのカメラを回していたので、火の手が上がる瞬間の映像を入手して放送した。これは各社同様であるが、こうした映像の投稿を募集しているし、SNS上にアップされたものはこちらからコンタクトを取り、入手するべく動いてもいる。
もちろん真贋確認は極めて重要であり、フェイクの映像でないのかは確認をしたうえで放送を行っている。自分の映像の拡散を狙い、関係ない映像を交ぜて編集したり、悪意がある場合には嘘の映像投稿で情報を混乱させようとしたりするケースもある。
21世紀は映像量の爆発
国内の事件や事故のみならず、ウクライナの戦争や世界の大災害に至るまで、あらゆる映像が撮影されてはSNSにアップされ、それが大手メディアを通じて世界中で放送されている。20世紀を情報量の爆発だとすると、21世紀は映像量の爆発だとも言えるだろう。さらに映像の情報としての重要性が飛躍的に増したのだ。
もちろん報道カメラマンは映像の意味や説明力など、あらゆる意識を持ち撮影するプロであり、存在価値が薄くなるのではなく、ますます本来の役割は大きくなっていることも付記しておきたい。
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