マツキヨ、「中国人の爆買い」ガッチリつかむ武器 香港にも出店、中国人客の消費動向を徹底分析

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競合他社が郊外で出店競争を繰り広げる中、マツキヨココカラがこだわるのはあくまで都市型中心の出店だ。郊外は人口減少が進んでおり、価格競争に陥って店舗の収益性が悪化、将来的にジリ貧になると見ているためだ。 

実際、粗利の低い食品を安売りして集客する郊外店の競争環境は厳しい。そうしたドラッグストアの幹部は、「地方では商圏人口が小さくなり、採算の合う物件を見つけるのが難しくなってきた」と語る。

それに対しマツキヨココカラは、人口の多い地域を中心に出店しているため1店舗当たりの売り上げも比較的高い。採算性の高い化粧品も都心の店舗のほうが売れやすく、マツキヨココカラの2022年3月期の営業利益率は5.7%と業界ではかなりの高水準。そのため今後も都市型店を中心に出店を加速させていく方針だ。

2025年度までに大型M&Aも視野か

マツキヨココカラは、現中期経営計画の最終年度である2026年3月期に売上高1兆5000億円(2023年3月期会社計画は9500億円)、営業利益率7.0%を目指しており、売上高の計画達成には単純計算で年16.5%増の伸長率が必要だ。

競合ドラッグの幹部は、「マツキヨココカラは都市型店を抱えるサンドラッグやスギホールディングスといった大型チェーンのM&Aを狙っているのではないか。立地が限定的な都心では、いずれ出店ができなくなるからだ。この2社を買収して不採算店舗を閉めれば、売上高、営業利益率ともに中期経営計画を達成できる」と見る。
 
「ドラッグの雄」とも呼ばれていたマツキヨココカラ。インバウンド需要を追い風に復活ののろしを上げているといえそうだ。

伊藤 退助 東洋経済 記者

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いとう たいすけ / Taisuke Ito

日用品業界を担当し、ドラッグストアを真剣な面持ちで歩き回っている。大学時代にはドイツのケルン大学に留学、ドイツ関係のアルバイトも。趣味は水泳と音楽鑑賞。

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