マツキヨ、「中国人の爆買い」ガッチリつかむ武器 香港にも出店、中国人客の消費動向を徹底分析
外国人観光客がよく訪れる繫華街などに店舗を構えていたこともあり、経営統合前のマツキヨは2019年度単体売上高の13%超に当たる748億円以上をインバウンド影響に該当する免税売り上げで稼いでいた。対して、郊外店の割合が大きいウエルシアホールディングスやツルハホールディングスのインバウンド影響は売上高のわずか1桁%程度とその差は歴然だ。
それだけにインバウンド需要の激減で、かつては業界トップクラスだったマツモトキヨシの2021年3月期売上高は業界6位にまで落ち込んだ。そこで2021年10月にココカラファインと経営統合、なんとか業界トップ3をキープしている形だ。
香港で中国人の需要を把握
そんなマツキヨココカラ最大の武器は、売れ筋を把握するデータ分析力だ。2014年からパスポートをもとに国や地域、性別や年齢といったデータを分析。その結果をもとに品ぞろえを変化させている。
マツキヨココカラの担当者は、「浅草には至近距離に4店舗ほど展開しているが、店舗ごとに交通機関などの事情から客層に少しずつ差があり、データをもとにそれぞれ店頭で展開する商品を変えている」と明かす。
例えば浅草二天門の店舗は中国人ツアー客が多いため、中国人に人気のフェイスマスクを店頭で積極的に展開するといった具合だ。
2022年10月には多くの中国人が訪れる香港の繁華街で第4号店を出店、中国人に関するデータを積極的に集めてきた。こうして蓄積したデータを国内店舗の品ぞろえにも生かす構えだ。「セット商品の拡充や、短時間で買い物を済ませたいという旅行者のニーズをとらえた陳列などを進めていく」(マツキヨココカラの担当者)。
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