苦境のシャープ、なぜ太陽電池を続けるのか 事業の売却・縮小をかたくなに否定

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縮小

太陽電池以外にも、海外のテレビや電子部品などの事業縮小、撤退の見方がくすぶる。資金面で支える銀行側も、こうしたリストラ策に同調。「抜本策を出してほしいというのが、われわれのスタンスだ」と念を押す。

が、シャープ側は、いずれの事業でも継続を強調。痛みを覚悟する社員には、「今の経営陣には事業を戦略的に組み替える考え方が希薄だ」と不信感が募っている。

5月に発表予定の新中期計画では、これらリストラ策に加え、再成長シナリオの提示が焦点となる。そこでカギを握るのが他社との連携だ。

鴻海のテリー・ゴウ氏はどう動く

台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業のテリー・ゴウ董事長は、シャープに出資意欲を示している。傘下の液晶メーカーであるイノラックスと技術的に協業することも可能だ。

しかし、社内の反応は複雑。社員の一部からは「ゴウ氏が経営権を掌握するのが、再生への最短距離だ」と歓迎する声が聞こえる一方、鴻海とは3年前にも提携交渉し、出資比率をめぐって暗礁に乗り上げた経緯がある。

当時を知るシャープ関係者は「あのとき、鴻海は出資条件の見直しに『合意した』と発表したが、そうした事実はなかった。わだかまりはまだあり、交渉するのは現実的に難しいのでは」と語る。

「不採算事業の撤退は当然。その先の成長を見通せなければ、銀行は面倒を見切れないはず」と国内証券のクレジットアナリストは指摘する。5月にどんな抜本策を示すのか。期限が迫っている。

「週刊東洋経済」2015年4月11日号<6日発売>「核心リポート06」を転載)

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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