東武小泉線、「日本のブラジル」へ走るシブい路線 異国情緒のカラフル駅舎…メインは通学利用
小泉線館林―西小泉間の中で、いちばんお客の多い駅はもちろん館林駅だ。が、館林駅の場合は小泉線というよりは伊勢崎線のお客が中心になる。小泉線内に限れば、東小泉駅が1日約1200人。次いで西小泉駅が1000人ほどで、成島駅が約700人と続く。学生の利用が多い駅と、周辺に工場が広がる終点の駅に、大半が集中しているというわけだ。
「東小泉駅は、もともと信号所として開業してそれから駅に変わり、また信号所に戻って、西邑楽高校が開校すると駅になったという歴史を持っています」(丸山さん)
だから最初から高校生のための駅という意味合いが大きい。また、太田方面への列車とは東小泉駅で接続を取るようなダイヤになっている。
「西小泉駅はいまでこそクルマで通勤する人がほとんどですが、かつては近くの工場への通勤でかなりたくさんのご利用がありました」(丸山さん)
かつてドア扱い担当がいた
その当時のことを、小泉線で運転士をしていた経験もある館林駅首席助役の清水昇さんは次のように振り返る。
「いまは2両編成のワンマンですが、昔は4両編成でも乗り切れなかったくらいでしたよ。折り返しになる西小泉駅では、乗務員も移動しなければならないじゃないですか。だけど、あまりにもたくさんお客さんがいるものだから、ドア扱いをするための職員が西小泉駅に常駐していたくらいでした。いまでは想像もつかないですけどね……」(清水さん)
なお、1970年代まで、小泉線は西小泉駅からさらに先、利根川のほとりまで延びていた。その時代の終着駅は仙石河岸駅といい、貨物の専用駅だった。西小泉―仙石河岸間には、新小泉という駅もあった。西小泉駅からまっすぐに南へ、パナソニック(当時は三洋電機)の工場の脇を抜けていた廃線跡は、いまは遊歩道として生まれ変わっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら