東武小泉線、「日本のブラジル」へ走るシブい路線 異国情緒のカラフル駅舎…メインは通学利用

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ここで少し小泉線の説明をしておこう。小泉線は、館林―東小泉―西小泉間と東小泉―太田間の2区間から構成されている東武鉄道のローカル線だ。

列車は館林―西小泉間と東小泉―太田間からそのまま桐生線に直通する列車の2系統。ラッシュ時には1時間に2本、日中には1時間に1本ペースで運転されている。館林駅管区が管理しているのは、この小泉線のうち館林―西小泉間、ということになる。

さて、やっぱり、“日本のブラジル”だけあって、小泉線は外国人の利用者が多いんですか……?

「そうですねえ……週末になると、外国の方もけっこう乗っていらっしゃいますね。西小泉の工場で働かれているほうが多いので、週末の休みにみんなで出かけたり。ただ、やっぱりどこのローカル線もそうであるように、小泉線もお客さまの中心は通学の学生さん、ですね」(丸山さん)

館林―西小泉間には、関東学園大附属高校(成島駅)と西邑楽高校(東小泉駅)という2つの高校がある。さらに、沿線の住宅街から館林や太田方面、さらには佐野市内にある佐野日大高校などに通う学生も、小泉線を利用する。

通学路線の「春の風物詩」

丸山さんは「通勤でご利用になる方もいないわけではないですが、やはり北関東はクルマ社会なので……。ですから、ほぼ学生さんです。入学シーズンの4月になると、毎年私と首席助役で本中野駅まで出向くんですよ」と続ける。

「朝の7時ちょっと過ぎに電車に乗り慣れていない学生さんが、ばーっと利用するようになるじゃないですか。そうすると、改札の目の前の車両がすごく混むんです。それで、乗ったら奥に詰めてくださいね、といった乗車指導をさせていただいて。何日かやれば落ち着いてくるんですが、まあ私らにとっては春の風物詩みたいなものです」(丸山さん)

本中野駅の駅舎
毎年4月、館林駅管区長は本中野駅で乗車指導にいそしむとか(撮影:鼠入昌史)

都心の学生たちならば、高校に入学する前から電車を使う機会が少なからずある。が、少し都心から離れたクルマ社会になると、自転車や家族の運転するクルマを使うのが常。本格的に電車を使う機会は高校入学後という人も珍しくない。なので、こうした乗車指導が欠かせない、というわけだ。

「関東学園の学生さんたちがいまよりもたくさんいたときは、成島駅と館林駅の間だけを走らせる電車もあったんです。2003年のダイヤ改正で廃止されたのですが、いまでも成島駅構内には信号機があります。それは区間列車のあった時代の名残ですね」(丸山さん)

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