「頑張らない」からこそ人生は劇的に楽しくなる うつから復活で悟った「これしかない」のまやかし
デラさん:「代わりがいる」と知ることって大事ですよね。ボクはうつ病になってからも「前の自分に戻りたい」「いま頑張らなきゃいつ頑張るんだ」と自分を追い込んでいましたが、どうしても体がついてこなくて、25歳のときに自殺しようとしました。でも、包丁でグサッとやろうとした瞬間、「痛そうだな」ってビビっちゃって。
こんな状況でも「生きたい」と思っている自分になんだか笑っちゃって、そこからですね。「死ぬこともできないならもう適当に生きよう」と割り切れるようになったのは。それ以来、赤点さえとらなければいいやと思って、自分をいかに消耗させないかということを最優先して生きています。
自分を消耗させる人間関係は見直してOK
Jam:120点を目指していた人生から、赤点を回避する人生に変わってみて、どうですか?
デラさん:最高。毎日楽しいです。会社員時代と比べたらストレスは100分の1くらい。社員5人のベンチャーだったんですが、いつもなんとなくギクシャクして気まずい雰囲気で、「別に話したくないけど、仕事のことを考えたら話したほうがいいか……」とか、自分の意思とは逆のことをしないといけないのがストレスでした。いまのボクなら、話したくなければ話さない。意思と行動がイコールなのでストレスがほぼないです。
Jam:「仕事がうまくいかなくなったら困るから」「嫌われるのが怖いから」と我慢して人間関係を続けるのは本当にしんどいですよね。でも、一度やめてみると意外と大丈夫だったり、別に嫌われてもいいかって思えたりする。私も人からの依頼を断ることができるようになってからは、自分が本当に描きたいものを描く時間ができて、毎日すごく楽しいです。
友人関係も同じ。デラさんの本の中に『友達はいらない』という章がありましたが、私も「来るものは選んで去るものは追わず」なところがあって、友達にはあまりこだわっていません。縁があればまた会えるし、離れるときは離れるし、「そのときそこにいればいい」くらいに思っていますね。
デラさん:みんな、一般的な友達の定義に縛られすぎていますよね。たとえ幼なじみでも、自分にとってマイナスになる人は友達じゃない。自分が心地いいと感じる人と、関わりたいときに関わるだけで十分だと思っています。Jamさんは、相性の合わない人、嫌だな〜と感じる人とどうしても一緒に過ごさないといけないとき、どうやってストレスを回避していますか?
Jam:これは編集の友達にもらったアドバイスなんですが、悪役の取材だと思って接するようにしています(笑)。私は漫画家なので、創作のネタにしてしまうっていう。
デラさん:いいですね。ボクも自分の中の辞書にネタとして収録しちゃいます。だから「どうしてそう考えるんですか?」とかあえて質問してみたり。で、得るものだけ得て、時間がきたらサヨナラ。SNSだったらブロック。一緒にいなきゃいけない時間はできるだけいい時間にして、終わったらスッパリ区切るようにしています。もし嫌な気持ちが残るようだったら、ゲームしたりプリン食べたりしてプラマイゼロにする。