JR北海道の新駅「ロイズタウン」開業後の実態は? 地元チョコ企業の名を冠し観光客誘致狙うが…
時刻表を見ると、朝夕には当駅を通過する列車が設定されている。気になってJR北海道に問い合わせたところ、停車する列車を増減する予定はないという。これは当駅の利用状況を鑑みてのことではなく、札幌―八軒間およびあいの里教育大―北海道医療大学間が単線である学園都市線の路線事情を踏まえ、必要な運行間隔を確保するためとのことだった。
待合室のような改札前にはベンチが2つ設置されていて、寒い中列車を待つ身としては助かるだろう。階段かスロープで降りて自動ドアを出れば、駅前広場だ。
実はこの駅前広場、2022年12月に入って供用開始したばかり。片側1車線一方通行のロータリーと駐車場、トイレなどが設置されている。駅が立地する当別町が中心となって整備し、国の社会資本整備総合交付金による補助を受けて完成させた。
ふと上を見ると、街灯がカカオの実のような形状をしていることに気づく。これはロイズの発案によるもので、実物に合わせて赤、黄、緑の3色を採用した。現時点では駅前に飲食店がまったくなく、工場アクセスに特化した駅だと感じる。実際、ロイズコンフェクトによると駅開業以降は車通勤からJRでの通勤に切り替えた社員がおり、パートスタッフの募集エリアも拡大できたという。
駅前ロータリーからは、ロイズタウン工場へ直行する無料シャトルバスが発着している。1時間に1〜3本の運転で、札幌方面よりロイズタウン駅に到着する列車から効率よく乗り換えられるようなダイヤだ。気づけば周りも晴れてきて、時計を見るとお昼時。11時42分発のシャトルバスに乗り、工場へ向かうことにした。
チョコレートのテーマパーク
シャトルバスに乗っていた時間はほんの2〜3分。あっという間にロイズタウン工場に到着した。ロイズタウン駅から歩いても7分ほどの距離だが、雪の中でキャリーケースを持っての移動は難しい。バスの存在は、オールシーズンの観光客確保に一役買っていくことだろう。
中に入ると、1階部分は工場直売店となっている。チョコレート製品だけでなく、パンやソフトクリームなども販売。ロイズタウン駅開業記念コーナーと題して、記念商品やJR北海道のグッズも展開していた。チョコレートを使用したパンとお土産のビターチョコレートを購入し、1階部分に設けられたテーブル席で味わう。
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