東名阪で一番運賃が安い鉄道会社はどこ?

初乗りはJR西日本、20km乗車なら東急

これまであまりにも利用客に甘えてばかりいたために、鉄道会社が改革を怠ってきたこともまた事実だ。東京では2020年(平成32)に開催が決まったオリンピック、パラリンピックによって外国から大挙して選手、関係者、観戦客が来日するのを前に、複雑すぎる鉄道網のそれも運賃制度について再考を迫られている。そこで今回は、首都、中京、京阪神の三大交通圏のJRや公営、大手民鉄の運賃制度を比較することとしたい。

比較に際しては単純な方策を心がけた。鉄道会社各社の平均輸送キロ、言い換えれば利用客の平均乗車キロは、ほぼ20キロメートル以下である。

したがって、運賃は初乗りから20キロメートルを乗車した場合までを取り上げ、乗車キロが何キロメートルの時点で運賃が変わるのかを表にまとめた。また、比較しやすいよう、各社の運賃を初乗り、そして乗車キロ5キロメートルおきに抽出して比較し、最高額と最低額とをそれぞれ図示している。ちなみに表に示した運賃はすべて大人1人当たりのもので、区間によって定められている割引額や加算額は考慮していない。それでは東名阪の交通圏ごとに、特徴を見てみよう。

首都交通圏で初乗りが最も安いのは京王・小田急・東急

何と言ってもまず目に付くのは、運賃そのものが乗車券を購入したときとICカードを利用したときとで異なる点である。各社、税抜きの金額に消費税を加算した結果生じた10円未満の端数をICカードでは正確に反映させたので、より公平と言えるのだが、わかりやすさから言えば大いに疑問だ。

表で示した運賃は乗車券でのもので、すべてICカードで購入した運賃を上回っているが、これはたまたま生じた結果である。JR東日本の場合、電車特定区間で31~35キロメートル乗車するとどちらを利用しても550円と同額だし、東京・大阪近郊区間と言える電車特定区間の外側の区間となる幹線、地方交通線ではともに1~3キロメートルの初乗り運賃は乗車券が140円、ICカードが144円と逆転しているのだ。それはさておき、首都交通圏の主要鉄道会社12社の運賃を5キロメートルおきに並べてみると、案外各社まちまちである点が興味深い。

東京地下鉄の初乗り運賃の170円は乗車キロが5キロメートルでも同額だ。この運賃は乗車キロが6キロメートルまで有効で、初乗り運賃が適用される距離は中京・京阪神交通圏を含めた各社のなかで最も長い。お得とみるか、初乗り運賃が高いとみるかは人それぞれであろう。

初乗り運賃が130円と最も安い京王電鉄、小田急電鉄、東京急行電鉄の3社は、その後の運賃の上がり方がそれぞれ異なっていて興味深い。京王電鉄は乗車キロが5キロメートルのときに初乗り運賃に10円を加えた140円で、乗車キロ15キロメートルでの時ともども、首都交通圏各社中最安を記録する。

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