トヨタに初の系列出身役員、「部品メーカーならではの知見注入」

「部品メーカーならではの知見を注入」

 4月3日、トヨタのグループの部品メーカー大手から招へいされた水島専務役員と奥地常務役員は、部品メーカーならではの知見や技術をトヨタ本体に注入することなどが自身の役割との認識を示した。都内のショールームで昨年11月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[名古屋 3日 ロイター] - 4月から始動したトヨタ自動車の新経営体制で、グループの部品メーカー大手から招へいされた水島寿之専務役員と奥地弘章常務役員は3日、同社以外のメーカーなどともビジネスをしてきた部品メーカーならではの知見や技術をトヨタ本体に注入することなどが自身の役割との認識を示した。

両氏の役員就任は今回の新布陣で最も注目された人事の一つで、就任前は水島氏がアイシン精機の副社長、奥地氏がデンソーの常務役員だった。これまでトヨタ本体からグループ各社に役員や幹部が送り込まれることはあったが、グループ各社からトヨタ本体の役員への異動は今回が初めて。

水島氏は、トヨタなどの日系自動車メーカーは競合他社をベンチマークにするものの、「ある意味、自分の考え方を『是』として車づくりを行っている」と指摘。一方、部品メーカーは「非常にグローバルに複数の顧客と付き合っている」ため、いろいろな知見などは「どちらかといえば、部品メーカーのほうが長けたところがあるかもしれない」として、知見の流動性に貢献したいとの考えを示した。

奥地氏も「本当に完成車メーカーの仕事のやり方が正しいのか、部品メーカーの仕事のやり方からみて、どこが問題なのか」という気づきを与えることが自身の役割との認識を示し、トヨタで働いていても「サプライヤー視点も忘れず、何を変えなくてはいけないかということを意識したい」と話した。

<グループ連携をさらに強化>

また、生産技術畑を歩んできた水島氏は、個社ごとではなく、トヨタとサプライヤー全体をつなげるような情報網などを活用し、「グループ全体でリーン(筋肉質)な生産体制を作ることが課題だ」と述べ、今のうちに2020年以降の生産技術分野での弾込めをしっかり行い、20年代に新車投入がすぐできるよう準備していくことも課題だとも語った。

一方、奥地氏が担当する予防安全・運転支援・自動運転といった分野は「トヨタの持っている技術だけでは達成できない領域だ」と指摘、各サプライヤーとの協業をはじめ、社会インフラも必要になるとして「行政との連携も今後の課題」とした。

今回の異例のグループ人事交流の狙いについて、両氏はグローバルに通用する良い車を作るための一つの施策とみている。

奥地氏は、トヨタの豊田章男社長の見解とは違うかもしれない、と前置きした上で、グループの連携を強くして良い製品を作り上げ、それをグループ内で抱え込まず、「外にも売っていける」ようにするのが狙いではないかと語った。任期については「『トヨタにいらないといわれるまで』と言われた。自分としては片道切符と考えている」(奥地氏)という。

*1段落目の表記を一部修正して再送します。

(白木真紀)

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