安易な「みんなで仲良く」が子どもを苦しめる理由 友人関係の「距離感」は選んでもいい

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うまく受け答えできない話題があるからといって、それをうしろめたく思う必要はありませんが、一方で、話がつまらないと思う相手に対して、自分も嫌な関わり方をしないように気をつけましょう。

「考えが子どもっぽくてつまらない」「ギャグのセンスがなくて最悪」などと伝えたら、相手はもちろん嫌な気持ちになりますし、いままで通り話すことができなくなってしまうかもしれません。それは相手の「自分らしさ」を尊重していない行為ですよね。

お互いに、コミュニケーションのスタイルが違うだけ。自分も相手も大事にするために、そのことを忘れないようにしていてください。

自分が話したいと思えるコミュニケーションスタイルを考える

「特定の話題で盛り上がりたい」というタイプは、趣味の活動で仲間を探したり、似たような人が集まるサークル活動などに参加してみるのもいいかもしれません。

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ある程度の年齢になってインターネットをうまく使えるようになってきたら、オンラインで仲間と交流するのも一つの方法です。もちろん、危ないことに巻き込まれないよう、信頼できる大人に相談しながら交流するのがベストです。

対面で話すよりも、音声通話やテキストメッセージでやりとりをするほうが好きだという人もいます。せっかく便利なツールがたくさんある時代なのですから、自分が話しやすい環境を選んでいきましょう。

コミュニティ、話す内容、交流手段。それぞれ少しずつ変えながら、自分が話していて楽しいと思える仲間を探してみてください。

本田 秀夫 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授

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ほんだ ひでお / Hideo Honda

精神科医師。医学博士。特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。1991年より横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。その後、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長などを経て、2014年より現職。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。日本自閉症協会理事、日本自閉症スペクトラム学会常任理事、日本発達障害学会評議員。2013年刊の『自閉症スペクトラム』(SBクリエイティブ)は5万部超のロングセラー。

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