③は、鮭、イクラ、エビ、カニなどに多く含まれる「アスタキサンチン」と、くちなしの実の黄色い色素「クロセチン」だ。これらは抗酸化作用が強く、体の血流を良くして目の疲労を取ってくれる。
ほうれん草やブロッコリー、かぼちゃ、にんじんなどに含まれる「ルテイン」も網膜に作用し、目の疲労回復を早め、老眼の発症を遅らせることが期待できる。これらを食事で摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用してもOKだ。
④はストレッチでも足踏みなどの軽い運動でOK。全身の血行改善は目の血行改善、疲労回復にもつながる。目のストレッチとあわせて日課に取り入れてみよう。
⑤の目薬は、ピント調節をスムーズにしてくれる効果のある「ネオスチグミンメチル硫酸塩」や、目の疲れを取る効果がある「ビタミンB12」が含有されたものがお勧め。用法用量を守って使いたい。
レーシックは老眼になりやすい?
昨今は近視矯正のためにレーシック手術を受ける人も増えているが、「レーシックは老眼になりやすい」という情報もよく耳にする。それについてはどうだろうか。
「まず、レーシックによって、近くも遠くもよく見える目には残念ながらなりません。遠くは見えるようになっても近くを見るのがつらくなってしまう。生涯、遠くだけを見て過ごせるならいいですが、スマホを見ないと生活ができないような現代ではデメリットのほうが大きい。老眼にもなりやすいので、私は勧めていません」(梶田医師)
レーシック後、ものが二重に見える複視やドライアイになった、などの報告もある。とくに夜間視力が悪くなり、夜の光が流れて見えるようになるため、夜間に運転が必要なドライバーなどは仕事にならなくなってしまうケースもある。職業によっては安易なレーシック手術は要注意だ。老眼が進んだ場合にはコンタクトなどは使えないため、メガネが必要になる。
老眼症状が出はじめたら、まずは早めに眼科医を受診し、遠近両用のメガネやコンタクトレンズを検討することが大切だ。最新のメガネ・コンタクトレンズ選びについてはこの後、解説する。
(取材・文/石川美香子)
梶田雅義医師
1983年、福島県立医科大学卒業後、カリフォルニア大学バークレー校研究員などを経て、2003年に梶田眼科開業。東京医科歯科大学医学部臨床教授、日本眼光学学会理事、日本コンタクトレンズ学会常任理事の経歴があり、現在も日本眼鏡学会評議員などを務める。全国から多くの患者さんが訪れ、テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。
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