シリコンバレーを騒がせる「オープンAI」の実力 あのマイクロソフトも大型出資に前のめり

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マイクロソフトの巨大なコンピューターデータセンター用ネットワークを利用して構築される新しいチャットボットは、チャットGPTのようにテキストのみを生成するシステムになるかもしれない。

あるいは、テキストだけでなく画像も扱えるようになるかもしれない。すでに一部のベンチャーキャピタルやマイクロソフトの社員は、このサービスを実際に見ている。しかし、オープンAIは、新しいシステムが画像を含む機能でリリースされるかどうかは、まだ決定していない。

当初は非営利団体だったが、営利企業に転換

オープンAIを率いるのは、スタートアップビルダーのYコンビネーターの代表としてシリコンバレーで有名になったサム・アルトマン氏だ。37歳のアルトマンは、共同創業者たちとともに2015年に非営利団体としてオープンAIを設立した。しかし彼はすぐに、より積極的に資金調達を進められる営利企業としてベンチャーを作り直した。

1年後、マイクロソフトは同社に10億ドルを出資し、オープンAIの巨大なモデルが要求するスーパーコンピューター技術の構築を約束するとともに、その技術を「商業化するための優先的パートナー」になることを表明した。その後、オープンAIはマイクロソフトに正式に技術をライセンスし、マイクロソフトの製品やサービスに直接技術を追加できるようになった。

マイクロソフトの支援を受け、オープンAIはGPT-3という画期的な技術を構築していった。「ラージランゲージモデル」と呼ばれるこの技術は、ツイートやブログ記事、ニュース記事、さらにはコンピュータのコードなど、テキストを独自に生成することができる。

使い勝手が悪く、ほとんどが企業やエンジニア向けのツールだった。しかし、その1年後、オープンAIは、見たいものを記述するだけで誰でもリアルな画像を生成できる「DALL-E(ダリ)」の開発を開始。マイクロソフトはGPT-3やDALL-Eなどの技術を自社製品に取り込んでいった。

マイクロソフトが所有するプログラマー向けオンラインサービス「GitHub(ギットハブ)」では、「Copilot(コパイロット)」というプログラミングツールの提供を開始した。

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