「ChatGPT」の爆発的な人気が招く懸念と大競争 AIの世界でたちまち目が離せない存在になった

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2022年11月末に公開された「ChatGPT」。ユーザーが押し寄せているようで、上記のような表示が出て、ログインできない状態が頻繁に起きる(画像:ChatGTPのログインサイト)

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AI(人工知能)の世界に彗星のごとく現れた「ChatGPT」の注目度が俄然高まっている。

ChatGPTは、アメリカ・サンフランシスコに拠点を置くOpenAI社(以下、オープンAI)が開発したチャットボットだ。ユーザーが入力した文章に対してAIが会話の流れに沿った文章を自動で作成したり、長文の文章を要約したり、外国語を翻訳してくれたりする。2022年11月末に公開されると、5日間でユーザー数が100万人を突破した。

日本のAI研究の第一人者である東京大学大学院の松尾豊教授は「この(AIの)言語技術は、すべてのホワイトカラーの人たちに影響が及ぶ。インターネットの黎明期かそれ以上に大きなインパクト」だと指摘する(松尾教授のインタビューはこちら)。

ChatGPTの「言語能力」の高さから生じる懸念も

2023年1月、オープンAIのChatGPTの注目度が高まる中、マイクロソフトが巨額の投資を発表した(画像:マイクロソフトのサイト)

1月23日、オープンAIに出資を行いパートナー関係にあったマイクロソフトが、今後数年間で数十億ドル規模を追加出資すると表明したことで、一段とその名が知れ渡った。マイクロソフトの動きは速く、2月1日からチャットやビデオ会議ツールの「Microsoft Teams(チームズ)」にChatGPTを支える大規模言語モデルを活用し、会議メモの自動生成などが可能になる有料プランを始めている。

1月末にはオープンAIの技術をコンテンツ生成に使用すると報道されたアメリカのメディア企業・バズフィードの株価が一時、約4倍に急騰。株式市場でもオープンAIの技術が投資テーマとなっていることをうかがわせた。

注目度が高まる一方、ChatGPTはアメリカの大学院レベルの試験に合格したことが報告されており、その“言語能力”の高さから、論文など文書作成の不正利用への懸念も強まっている。

次ページ大混雑の中で「有料版」も開始
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