マイクロソフト「検索技術」突然注目されている訳 あのChatGPTを取り入れた?新生Bingの実力

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

(写真:Ruth Fremson/The New York Times)

特集「ChatGPTの衝撃」の他の記事を読む

ハイテク業界にとって、この数カ月は大変な時期だった。何万人ものレイオフ、ウォール街で失われた何千億もの価値、そして成長市場に対する信頼を揺るがす暗号資産会社のスキャンダルがあった。

しかし、マイクロソフトの広大なキャンパス内にあるカンファレンスセンターでは火曜日、威勢のいい声が響き渡っていた。マイクロソフトとOpenAI(オープンAI)という小さな研究所、双方の幹部とエンジニアが、ハイテク業界の将来のカギを握ると信じている人工知能(AI)技術のイテレーションを使用した、新たな検索エンジンとウェブブラウザを発表したのである。

iPhoneやグーグル検索登場時並みの期待

2カ月前にオープンAIが「ChatGPT(チャットGPT)」というチャットボットを公開した際、この新たな技術に何百万人もの人々が魅了された。質問に答えたり、詩を書いたり、投げかけられたほぼすべてのトピックについて意見を述べたりすることができるチャットGPTは、少なくとも過去15年間で最も激しいレイオフが行われているハイテク業界に興奮をもたらせている。

オープンAIの技術にまつわる熱狂は、まもなく市場に登場すると予想されるいくつかの競合他社の技術と同様に、技術系のベテランたちにとって、最初のiPhoneの登場やグーグルの検索エンジン、インターネットの商業化の舞台となったネットスケープのウェブブラウザの導入など、シリコンバレーを根底から覆した瞬間を思い起こさせるものだ。

マイクロソフトはブラウザ競争には追いついたが、iPhone登場に伴うモバイルコンピューティングへのシフトは失敗し、同社の検索エンジン「Bing(ビング)」の人気はグーグルに遠く及ばない。しかし、チャットボットと関連技術(ジェネレーティブ=生成系AIと呼ばれる)が期待通りのものであれば、マイクロソフトはハイテク界における「次なる目玉」を手掛ける最初の大企業となる可能性がある。

次ページ「ソフトウェア分野を再形成する」
関連記事
トピックボードAD