マイクロソフト「検索技術」突然注目されている訳 あのChatGPTを取り入れた?新生Bingの実力

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一方、新たな技術を開発する中で、マイクロソフトが「われわれの古いビジネスに縛られている」ように振る舞わないことが重要だ、とナデラCEOは付け加えた。しかし、検索エンジンに関して言えば、世界市場でわずか3%のシェアしかないマイクロソフトが失うものは多くない。

ほかの企業もチャットボット競争に続々加わっている。月曜日、グーグルは近々「バード」というチャットボットを提供し、自社の検索エンジンにチャットボットの技術を加え始めると発表した。フェイスブックの親会社であるメタは、同様の技術をさまざまな製品に搭載してリリースする取り組みを急ピッチで進めている。そして、無数の新興企業が独自の生成系AI製品(言葉や画像などのメディアを独自に生成する技術の名称)を構築している。

経営陣、起業家、投資家は、チャットボットが、ここしばらくの間、技術業界が作り出してきたような、大きな期待を裏切るような珍奇なものにならないことを望んでいる。

例えば、自動運転がうまくいかない自動運転車や、スマホが近くにないと真に使い物にならないウェアラブル技術。そして、金融の世界を変えると約束された暗号通貨は、これまでのところ、主に投機家の資産となっています。

「技術史上最高の関係」

マイクロソフトはオープンAIと密接に連携し、同社に130億ドルを投資し、AI技術の構築に必要な数十億ドルのコンピューティングパワーを供給してきた。マイクロソフトは、新たな検索エンジンを支える具体的な技術については言及を避けたが、サンフランシスコに拠点を置くオープンAIが2カ月前に発表したものの後継となる「GPT-4」をベースにしている可能性が高い。

今回の提携は「技術史上最高の関係」だと、オープンAIのサム・アルトマンCEOは取材に対して話している。

マイクロソフトのビングは、「Perplexity(パープレキシティ)」や「You.com(ユー・ドット・コム)」といった新興企業の類似サービスと同様にチャットボットの発言に注釈を付けるので、ユーザーはその情報源を容易に確認することができる。

マイクロソフトの全ウェブサイトのインデックスと連動しているので、ネットに投稿された最新の情報に即座にアクセスすることもできるほか、問題のあるコンテンツを特定し、チャットサービスから削除するように設計された技術も含まれているという。

マイクロソフトは先週、同社のメールサービスであるアウトルックに初めてAIを統合し、営業担当者がカスタムメールを書くのを支援するツールをリリースした。同社が企業向けに構築するアプリケーションを統括する幹部のチャールズ・ラマンナは、今後数カ月の間に、平均して毎週、生成型AIを使った機能をリリースする予定だとしている。

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