「マイレージのステータス」に秘められた賢い戦略 賢いマーケターは知っている「損失回避」の法則

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航空会社は人々の「設定したターゲットをクリアしたい気持ち」をうまく利用しています(写真:Sunrising/PIXTA)
ダイエットや禁煙、外国語学習、ジム通いなど、私たちは何かの目標を達成しようとして、ついつい途中で挫折してしまう。
しかし、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの心理学者で、モチベーションサイエンスの第一人者のアイエレット・フィッシュバック氏によると、誰でも簡単な方法で自らの「やる気」を自由自在にコントロールし、望む成果を得られるという。
今回、2月に刊行されたフィッシュバック氏の著書『科学的に証明された 自分を動かす方法』より、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

目標(ゴール)と指標(ターゲット)の違い

目標に入れる数字には基本的に2つの形式がある。量を定める数字(たとえば「1万ドル貯める」)と、期限を定める数字(「1年以内に」)だ。

『科学的に証明された 自分を動かす方法』(書影をクリックすると、Amazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

数字の効果はモチベーションサイエンスで以前から研究されているだけでなく──数字が生み出すもっぱらポジティブな影響の研究に、私たち研究者はとりつかれていると言ってもいい──目標に関する日常会話でも、当たり前のように数字の話が出てくる。

しょっちゅう口に出すので、目標(ゴール)と指標(ターゲット)の違いを意識することもないかもしれない。

たとえば「私の目標は1万ドル貯めることです」という言い方をするが、厳密には、その場合の目標(ゴール)はお金を貯めることで、1万ドルというのは指標(ターゲット)にすぎない。

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