野口聡一さん解説、ロケットの燃料の意外な実態 時代ごとの社会的な要求を反映して開発は進む
ロケット打ち上げの目的や種類の違い
ロケットは打ち上げの目的や推進剤の種類、大きさによっていくつかに分類されます。目的から区別すると、地球の高層大気などの状態を調べるために観測用のセンサーを搭載して打ち上げられる「観測ロケット」と人工衛星を搭載して軌道に投入する「衛星打ち上げロケット」の2種類があります。
日本のロケット開発の始まりは、1950年代に東京大学の生産技術研究所(現在はJAXAの一部)が開発した「ペンシル」ロケットでした。ペンシルロケットは実用的な目的を果たすためというよりも、ロケット推進を理解するための実験機としての位置づけです。
その後、1958年に日本が打ち上げに成功した「カッパ」ロケットは、高度60kmまで到達し、観測ロケットとして国際的な物理学の共同観測に貢献しました。観測ロケットは観測という実用的な機能を持つだけでなく、「衛星打ち上げロケット」へと発展するマイルストーンでもあります。
日本はカッパロケットで達成した打ち上げ能力を高め、高度100kmを超える能力を持つ「ラムダ(L-4S型)」5号機が1970年2月11日に日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げました。
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