野口聡一さん解説、ロケットの燃料の意外な実態 時代ごとの社会的な要求を反映して開発は進む

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「ロケット」の打ち上げ目的や、推進剤の種類を紹介します(写真:shinnosuke0113/PIXTA)
1996年宇宙飛行士候補に選出され、国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の船外活動を行うなどさまざまなミッションを遂行してきた野口聡一宇宙飛行士。宇宙滞在期間は344日を超えており、2020年にはクルードラゴン宇宙船に搭乗し「3種類の宇宙帰還を果たした世界初の宇宙飛行士」として、ギネス世界記録に認定されました。
そんな野口宇宙飛行士が、「子どもも大人も知っておきたい、驚くべき宇宙の世界」について紹介したのが著書『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』です。
宇宙についてさまざまな角度から解説した本書から、知られざる「ロケットの燃料」についてつづったパートを一部抜粋・加筆してお届けします。

ロケット打ち上げの目的や種類の違い

ロケットは打ち上げの目的や推進剤の種類、大きさによっていくつかに分類されます。目的から区別すると、地球の高層大気などの状態を調べるために観測用のセンサーを搭載して打ち上げられる「観測ロケット」と人工衛星を搭載して軌道に投入する「衛星打ち上げロケット」の2種類があります。

日本のロケット開発の始まりは、1950年代に東京大学の生産技術研究所(現在はJAXAの一部)が開発した「ペンシル」ロケットでした。ペンシルロケットは実用的な目的を果たすためというよりも、ロケット推進を理解するための実験機としての位置づけです。

その後、1958年に日本が打ち上げに成功した「カッパ」ロケットは、高度60kmまで到達し、観測ロケットとして国際的な物理学の共同観測に貢献しました。観測ロケットは観測という実用的な機能を持つだけでなく、「衛星打ち上げロケット」へと発展するマイルストーンでもあります。

日本はカッパロケットで達成した打ち上げ能力を高め、高度100kmを超える能力を持つ「ラムダ(L-4S型)」5号機が1970年2月11日に日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げました。

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