「マツケンサンバ」が今なお圧倒的に愛される理由 「世代問わず」「理屈抜きに楽しい」がスタンダードに

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スポンサー受けのいい彼らを取り込みたい民放各局は、大型特番などの切り札として松平さんをキャスティング。替え歌などのコラボも含め、若年層の視聴率を上げるべく「マツケンサンバⅡ」に頼っているところがあるようです。

進化を求め続ける松平健の情熱

もう1つ忘れずに書いておきたいのは、松平健さんのパフォーマンスについて。テレビで「マツケンサンバⅡ」が放送されると、ネット上には必ずと言っていいほど、楽曲の素晴らしさだけでなく、松平さんの歌のうまさ、ダンスのステップ、着物の着こなしなどを称える声があがります。

松平さんは、どんな番組やイベントでも、常に笑顔で全力投球。現在69歳であるにもかかわらず、その歌や踊りは衰え知らずであり、力を加減することも、飽きて流すような姿を見せることもありません。「ずっと歌い続けていきたい歌」と語っていることから、松平さんは自分のパフォーマンスが日本中の人々に元気を与えていることを強く自覚しているのでしょう。

最後にあらためてルーツをたどっていくと、松平さんは1984年に「マツケン音頭」、1987年に「マツケン数え歌」「マツケンマンボ」、1989年に「マツケン小唄」、1991年に「マツケンでGO!」を歌い、この流れが1992年の「マツケンサンバ」、1994年の「マツケンサンバⅡ」、2004年の「マツケンサンバⅡ」全国発売につながっていきます。

もともと将軍とサンバのかけ合わせも衣装なども松平さん自身から発案されたものであり、「マツケンサンバⅡ」は進化を重ねて行き着いた集大成のような作品なのでしょう。

しかし、松平さんはさらなる進化を求めるように、2005年に「マツケンサンバⅢ」、2006年に「マツケンのAWA踊り」、2007年に「マツケンパラパラ」、2011年に「マツケンマハラジャ」、2014年に「マツケンサンバ4~情熱のサルサ~」をリリース。2022年にも「マツケンサンバⅡ English ver.」「マツケンEDM」と、その情熱はまさに衰え知らずです。

松平さんの情熱と進化に加えて、いまだに「なぜ東京オリンピックに起用しなかったのか」「もう毎年『紅白』の大トリでいいんじゃないか」という声があがるなど、「マツケンサンバⅡ」は再ブームという意味合いを超えて、日本人のスタンダードになったのは間違いなさそうです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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