「予想どんぴしゃ」のCPIは金融市場に吉か凶か インフレ予想より鈍化に賭けていた楽観派に痛手

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次のFOMCでは0.25ではなく0.5%の利上げか

◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのマルチアセット・ソリューション担当共同最高投資責任者、マリア・バサロウ氏

市場は過去数日間CPIについて極めて楽観的なシナリオを織り込んでいた。発表された数字はまさに予想通りの水準で、これは市場の楽観論の一部が株式と債券の両方で巻き戻される可能性があるという意味だ。

次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ポイントの利上げの可能性はまだ残るものの、コアCPIにおける住居コストの強さや失業保険申請の落ち着きは次回会合での0.5ポイント利上げシナリオを支持する。ただ、市場にとって最も重要なのは、利上げペースというよりもむしろターミナルレート(利上げの最終到達点)だ。ターミナルレートに近づくにつれて利上げペースは鈍化する必要がある。

◎ステート・ストリート・バンク&トラストのEMEA担当マクロ戦略責任者ティモシー・グラフ氏

広範なインフレ傾向の面では引き続きまずまずのニュースだが、住居関連のインフレとサービスインフレの根強さは、米金融当局が望むほど十分に速く下がってきていないことを意味している。

FOMCは今後のどこかの会合で利上げペースを0.25ポイントに落としその後休止する理由が必要になる。今回の数字を受けて恐らくその時間軸が少し延びると思う。

◎スイスクオートの上級アナリスト、イペク・オズカルデスカヤ氏

この先インフレは今年を通じて着実かつスムーズに弱まっていくことはないだろう。中国の経済再開とそれに伴うエネルギーとコモディティーの価格の反騰を背景とした起伏があろう。FOMC当局者が性急な勝利宣言を望まないなら、2月は再び0.5ポイントの利上げをした方がいいという考えになるかもしれない。

原題:‘Bang-On’ CPI, Strong Labor Data Have Traders Scratching Heads(抜粋)

--取材協力:、、、、.

(市場関係者のコメントを追加して更新します)

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著者:Isabelle Lee、Vildana Hajric、Sagarika Jaisinghani

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