脱炭素に「機動戦士ガンダム」が一役買う理由 愛知県豊田市がタッグを組みイベントを開催

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豊田市在住の漫画家・近藤和久氏が『機動戦士Ζガンダム』のメカニックデザイナーをしており、過去には同市で作品展を開催するなど市とガンダムとの縁があったこと、バンダイナムコグループのガンダムを活用した社会貢献プロジェクトと市のこれまでの環境問題をテーマにする取り組みとの親和性の高さから、市民への認知拡大を図るIPタッグの実現に至った。

「自分でやってみることで発見がある」

『ハロー!カーボンニュートラルフェスティバル』では、会場となった『とよたエコフルタウン』の開放的な広い敷地に、ガンダムのキャラクターパネルや電気自動車(EV)が体験スペース各所に並んだ。会場全体が『リサイクル・コロニー』『デジタル・コロニー』『デザイン・コロニー』『メカニック・コロニー』の4つのエリアに区分けされ、それぞれのコロニー内ではテーマごとに計11種類の体験イベントが行われた。

『リサイクル・コロニー』では、ガンプラ製作後に残る廃材(ランナー)のリサイクル工程見学や、正しいゴミの分別を学ぶゲーム、粘土で作った金型に金属を流し込んで成型する鋳造工程が体験できるサイドが設けられた。

リサイクル
リサイクル・コロニーでのプラスチックリサイクル体験。プラモデルの余り(ランナー)を粉砕して材料にし、3Dプリンターで別のものに再生していく(写真:筆者撮影)

ほかにも『メカニック・コロニー』では小型バッテリーEVのパーツ組み立てや、発泡スチロールのタイヤと本物の工具を使用したタイヤ交換、電気エネルギーのチャージからエンジン始動までの過程が体験でき、大勢の家族連れでにぎわった。

ガンダム
メカニック・コロニーのEV電気チャージ体験(写真:筆者撮影)

父親と一緒に訪れた小学6年生の女の子は「学校では以前から環境問題を勉強していましたが、6年生になってから身の回りのことを気にするようになりました。実際にリサイクルを体験してみると思っていたよりおもしろくて、もっと知りたいと思いました」と興奮しながら語った。

一方、娘に付き添って参加した会社員の父親(42歳)も「これまでにも体験型のイベントには参加していましたが、自分でやってみることで発見があるので、いい取り組みだと思います。これからも積極的にどんどんやってもらいたいです。今回はガンダムも気になって自分から娘に声をかけました(笑)」と話した。

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