中国人不在「日本の観光業復活のカギ」はペットだ インバウンド不調の穴を埋める存在になる

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人口減少社会となって高齢化が加速すると、国家を維持していくための経済発展モデルが狂ってしまう。たとえば、14億人いる想定で建てた住宅が、実際は11億人しかいないとなると、需給バランスが大きく変わる。ただでさえ余っている中国不動産が、さらにもの余りを起こす。

成長を前提にしていたモデルが瓦解していくなかで、自由主義体制では国家を維持できなくなる。だから今後は、外貨流出を防ぐために国民の海外渡航を制限するなどの政策をとってくることなどが考えられる。とくに中国人観光客をあてにしたIR(統合型リゾート)は厳しくなっていくだろう。

中国では賭博を禁止する方向で進んでいる。2021年4月に中国公安部が越境賭博を取り締まる新たな取り組みを発表、中国人観光客を賭博に呼び寄せていると思われる海外観光地の「ブラックリスト」を拡張していく方針を明らかにした。

仮に日本でカジノを作っても、ブラックリスト入りする可能性はあり、期待した中国人観光客は皆無という事態も考えられる。インバウンドをあてにする日本も警戒しなければならない。

中国人観光客はそんなに戻ってこない

新型コロナの感染拡大がようやく収まりかけており、インバウンドも復活してきた。これを景気回復の起爆剤として期待する人は少なくないだろう。しかし、先述の理由などから中国からのインバウンドは期待しないほうがいい。

インバウンドのニュースは人数ベースで伝えられることが多いが、企業にとって大事なのは、どれだけお金を落としてもらえるかだ。外国人がどれだけたくさん日本を訪れても、お金を落とさなければインバウンドの経済的効果は薄い。発想を転換して、お金を使ってくれる外国人旅行者にたくさん来てもらえばいい。仮に人数が減って、外国人旅行者が10分の1になっても同じ利益がとれる可能性はある。

訪日外国人1人当たりの旅行支出を見ると、コロナ前の2019年で1位はオーストラリアの24万7868円、以下、英国の24万1264円、フランスの23万7420円、スペインの22万1331円、5位に中国の21万2810円が入る(訪日外国人の消費動向 2019年:国籍・地域別の訪日外国人1人当たり旅行支出と旅行消費額 観光庁)。

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