ホンダの事故回避技術はここまで進化している 2024年実装開始、Honda SENSING次世代版の全貌

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Honda SENSING 360次世代技術として紹介された新技術は5つの柱で構成される。

①ハンズオフ機能付き高度車線内・運転支援機能
②ハンズオフ機能付き高度車線変更・支援機能
③ドライバー異常時対応システム(一般道路を含む)
④降車時車両接近警報
⑤ドライバー状態と前方リスクを検知した回避支援(以下⑤回避支援)

①~⑤はホンダのプレスリリースで詳細が発表されており、すでに一部は他社で実現している先進安全技術なので、本稿では人とクルマの協調運転が期待できる⑤に特化して解説する。

どうやって危険を回避するか

⑤回避支援は、3つの技術で構成される。A注意喚起/衝突注意警報、B緊急回避操舵支援技術、C車線内回避支援技術である。

Aは、ドライバーの注意力が低下している、または前方を向いているものの漫然状態の時に、歩行者、自転車、停車中のクルマ、前走車などとの衝突の危険性が予測される3~4秒前に、警報ブザーとディスプレイ表示でドライバーに注意喚起し、同時に緩いブレーキ(0.1~0.2G/一般的にドライバーが公道で使用する減速度)を掛ける機能。この注意力低下の状態検知や前方リスク予測はホンダが独自に開発したアルゴリズムを使う。

Bは、Aの状況下で衝突の危険性が高まった際、ドライバーのステアリングでの回避動作(ドライバーが少しでもステアリング操作を行った場合)をきっかけに、ブレーキ制御とステアリング制御(車線をはみ出さないようにする)をアシスト役として自動介入させる機能。

Cは、Aの状況下でさらに衝突の危険性が高まった際、ドライバーがステアリングでの回避動作をしなくても、自分が走行している車線内に十分な回避スペースがあるとシステムが判断すると、車線内でブレーキ制御とステアリング制御を自動的に介入させる機能。以下、具体的に解説する。

まずA~Cの各段階に共通している点は、ドライバー(人)の状態についてモニタリングカメラを通じてクルマが見守っていることだ。平常時(正しく運転操作ができている段階)と、漫然時(ボーッとしている段階)の差分をリアルタイムでクルマが検出しながら、「漫然時」に「危険な状態」へと「近づいていくとクルマが予測」すると、状況に応じて制御を介入させるタイミング(前述のA)を早める。ここが第1段階となる。

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