「ネポベイビー」とは、セレブ、あるいは権力や知名度を持つ親の影響力を利用して、有名になる子どもたちを指す言葉です。
同誌は「『有名人の子ども』という扱いにくい表現が、『ネポベイビー』というキャッチーな流行語になった」「『ネポベイビー』は能力主義が嘘であるということの物理的な証拠だ。私たちは彼らを愛し、憎み、見下し、そして執着している」と解説しました。
親が芸能人だったり、エンタメ業界の大御所だったり、大金持ちだったり、何らかの影響力を持つ人が成功しやすい。これは、どの世界でも共通する現象かもしれません。
2019年の南デンマーク大学の研究では、「家庭の総収入」と「クリエイティブな職業に就く可能性」はダイレクトにリンクしており、「1万ドル増えるごとに、その可能性が約2%高くなる」ということがわかりました。
「家庭の収入が100万ドルであれば、その人は家庭の収入が10万ドルの人に比べて、10倍近くも創造的な職業を選ぶ可能性が高くなる」という結果でした。
"質"より"露出の総量"「アテンション・エコノミー」現象
この「ネポベイビー」は、昔から存在していました。しかし、その傾向がさらに顕著になっていると同誌は指摘しています。
こうした「縁故主義」の高まりの背景には、情報過多の現代社会において、「情報の良し悪し」よりも、「人々の関心や注目をより多く集めること」が価値を持つという「アテンション・エコノミー」と言われる現象が挙げられます。
その「質」よりも、とにかく「露出の総量」が影響力を決めてしまう。そんな時代に、生まれたときから、ソーシャルメディアなどに登場し、露出を稼ぐセレブ2世は、圧倒的に有利ということになります。
「あの芸能事務所のタレントであれば、一定の視聴率が見込める」と起用が集中するように、「あのタレントの2世」であれば、イベントなどでの露出の可能性も一気に高まります。
親の威光が「ヘイロー(後光)効果」として、子どもたちを輝かせ、下駄をはかせてしまうわけです。
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