日本の新聞にないニュース英語「比喩表現」の凄み 「生きた語彙・英語表現」を学ぶことができる
水曜日のロイヤルズとのナイターの試合で大谷は13三振を奪い、5対0で勝利したが、これはMLBで47回の先発投手としての登板の中で最高の成績であった。大谷はその試合で8イニング投げて2本のヒットしか許さなかっただけでなく、対戦した最後の24人の打者のうち23人を打ちとったのであった。
しかも、そのように大活躍した前日の試合は延長戦でカンザスシティ・ロイヤルズに負けはしたが、大谷自身はスリーラン本塁打2本を打つなど、これまでで最高の8打点を記録するなど打者として大爆発した。
“昏睡状態”に陥った経済
次にご紹介するのは、経済に関して使われている比喩表現です。経済というのは調子の良いときもあれば悪いときもあります。特に調子が良いときとか悪いときというのはニュースになりやすく、そんなときにはニュース英語でも多少の誇張を交えた比喩表現が大活躍します。
そんな経済関係のニュース英語記事としてまずご紹介したいのは、“coma”という相当誇張された比喩表現が使われた記事です。“coma”というのは“昏睡状態”という意味で、経済状況などが非常に悪いことを表現するときによく使われます。
ご紹介するのはワシントン・ポストの社説記事で、アメリカの中央銀行にあたるFedに関するものです。FedにはFOMC(連邦公開市場委員会)と呼ばれるアメリカの金融政策を決定する重要会合があり、年8回開催されることになっています。
この社説が出た2月は開催月ではなく、翌月に開催される予定になっていたのですが、インフレが高騰する状況を受けて、アメリカ国内では3月を待たずに利上げの決定をすべきだとの声が高まっており、この社説もFedがそのように早く行動することを望んでいます。
Since Mr. Powell joined the Fed in 2012, the central bank has taken action between meetings only during emergency times such as the early days of the pandemic, when financial markets were panicking and the economy was rapidly going into coma.
(Washington Post, 2022/2/17)
prescheduled(形) 事前に決まった
emergency(名) 緊急事態
先述のとおり、この社説はFedが3月の定例FOMCを待たずに利上げに向けての行動を起こすべきだと説いたもので、“それが小さな動きであったとしても今動くことは、Fedが事前に決められた年8回の定例会合のときだけでなく、必要と判断したときにはいつでも素早く動くことができることを世界に再認識させることになるだろう”(A small move now would remind the world that the Fed is capable of acting whenever it wants, not just at the eight prescheduled meetings a year)として、その効用を説いています。
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