日本の新聞にないニュース英語「比喩表現」の凄み 「生きた語彙・英語表現」を学ぶことができる
ここでご紹介するのは、2022年6月に大谷選手がカンザスシティ・ロイヤルズとの連戦で、最初の試合ではバッターとして2本塁打、8打点の大活躍をし、翌日の試合でも投手として13三振を奪う快投をしたことを伝えた記事です。
That performance came one day after Ohtani went ballistic at the plate, hitting a pair of three-run homers and tallying a career-high eight RBIs in an extra-inning loss to Kansas City.
(Sports Illustrated, 2022/6/23)
retire(動)打ちとる、退ける
tally(動)(得点などを)記録する
RBI(名)打点(Runs Batted In)
前記のとおり、記事ではまず、“大谷が水曜日のロイヤルズとのナイターで13三振を奪って5対0で勝利した”(Ohtani struck out 13 batters in a 5-0 win over the Royals on Wednesday night)こと、そしてそれは、“大谷のMLB 47回目の先発投手としての登板で最高の記録であった”(establishing a career-high in his 47th MLB start)ことを書いています。
さらに、その次の文章では、“大谷はその試合で8イニング投げて2本のヒットしか許さず、試合の最後に対決した24人のバッターのうち23人を打ちとった”(He allowed just two hits in eight innings of work while retiring 23 of the last 24 hitters he faced)ことも追加情報として提供してくれています。
“went ballistic at the plate”
これだけでも投手として大活躍したと言えるのですが、大谷選手はその前日の試合でも打者として大活躍したのでした。
具体的には、“大谷はスリーラン本塁打2本を打つなど、これまでで最高の8打点を記録した”(hitting a pair of three-run homers and tallying a career-high eight RBIs)のですが、そうした大谷選手の打者としての大活躍を、この記事は“went ballistic at the plate”という、読者をうならせる比喩表現をしています。
この表現のうち、“at the plate”というのは、“バッターボックスに立って”という意味であることは多くの方がお分かりかとは思いますが、その前にある“went ballistic”については少し説明が必要かもしれません。
“ballistic”については、“ballistic missile”という成句として知られていますが、これは“弾道ミサイル”という意味です。つまり、“ballistic”は兵器などが弾道のように、超高速で動く強い力を暗示しています。そこから、“go ballistic”という表現が生まれ、“急に怒り出す”とか、“急に力が増して爆発する”という意味になりました。
ということで、ここでは大谷選手が2本塁打、8打点という打者として途方もない大爆発をしたことを“went ballistic”と表現したわけです。
なお、投手として13三振を奪い、打者として8打点をあげたのはMLB史上、大谷選手が初めてのことでした。
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