「西代洋」膝を壊しても貫くぽっちゃり芸人の矜持 石塚英彦から学んだ「ベタであること」の覚悟

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プロであるということとしっかりと向き合い、それを全うする。全うし続ける。その先に今の石塚さんがあるんでしょうし、僕も自分のプロの部分を全うするしかない。身をもってそれを教えてくださっているんだと僕は思っています。

自分が特化できるところを本気で突き詰める。そして、良いポイントはもちろん、一見すると“良い”とは思われないようなことでも、そこをチャンスとして取り入れて突き詰める。それも大切なことだと今は心底思っています。

営業でもね、「M-1」王者とかネタで結果を出した人が行かないような営業というのがあるんです。例えば、お客さんが皆さんお酒飲んでらして、そこまで熱心にネタに期待をされてはいない。そんなパーティーからのオファーも吉本興業には来ます。

吉本としては誰かをそこに派遣しないといけない。そこを僕らがしっかりとやりきって「このタイプの営業は彼らに任せれば大丈夫」と思ってもらえる存在になる。

全ては大好きなこの世界にいたいから

全てがセールスポイントになる可能性があるし、卑屈になるのではなく、前向きに一生懸命取り組む。言葉にするときれいごとみたいになりますけど、それが少なくとも今の僕には大事なことなんだと思っています。

全ては大好きなこの世界にいたいから。それに尽きます。そのために何をするのか。選ばれし人に選ばれなくてもどう生きていくのか。そこを突き詰めるのが40代で芸人を続けていく肝の部分のような気がしています。

……え、もう取材時間、終わりですか? いやいや、もっと、もっと、読んでくださる方に刺さってほしい言葉を言わないとダメですよね。せっかく読んでもらっているわけですから。

ここをしっかりと出力高く行こうと思えるのが、40代まで年月を積み重ねてきた値打ちでしょうし、若くないということを、他のコンビとも違うということを、全てを武器にできるよう努めていきたいと思っています。目先の勝ち負け云々ではなく、自分と向き合って、これからも武器を探していけたらなと。

……どうでしょう? 前回掲載の「女と男」市川より、エエことを言った数、勝ててますかね(笑)?

■西代洋(にしだい・ひろし)
1980年9月27日生まれ。大阪府出身。NSC大阪校22期生。吉本興業所属。2000年に岩部彰と「ミサイルマン」を結成。NSCの同期には「ダイアン」、「スーパーマラドーナ」、中山功太、「とろサーモン」久保田かずのぶ、「ウーマンラッシュアワー」村本大輔ら。ぽっちゃり体型を生かしたグルメロケで関西でオンリーワンの地位を築く。
中西 正男 芸能記者

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なかにし まさお / Masao Nakanishi

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。noteで「全てはラジオのために」(note.com/masaonakanishi)も執筆中。

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