16代目クラウンの大変身「あるべき姿」に戻った訳 第1弾クロスオーバーに乗ってわかった挑戦と革新

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中身も一新された。長く続いたエンジン縦置きFRから脱却して、実績のあるGA-Kプラットフォームの最新版を採用。エンジン横置き、後輪は電気モーター駆動というレイアウトに刷新されたのだ。

その一番の理由は広い室内空間を確保するため。ドライバー含む乗員全員を大事にするのがクラウンの本来の姿であり、それならパッケージング効率の良いGA-Kを使おうというのも至極納得である。守るべきは形態ではなく精神だろうという話だ。

しかも今の時代、後輪はモーター駆動が使える。実際、高出力モーターを使ったE-Fourアドバンスト、そしてFFベースとしては奢った新開発のリアマルチリンクサスペンションなどがあってこそ、この大変革が実現できたのは間違いない。

では室内はと言えば、空間は広々していて、特に後席は足元も頭上も十分に余裕がある。ドアトリムがやや平板で素っ気ない感じもするが、全幅を1840㎜に留めながらも最大限に居住性を稼ぎ出そうとしているわけだから、贅沢を言っちゃいけない。華美なイルミネーションなども備わらないが、それもリラックスして過ごしたい自宅をそうやって飾り立てたりしないよねという話である。

クラウンが若返った

パワートレインは2種類。ひとつはこのE-Fourアドバンストを使ったもので、前輪を直列4気筒2・4Lターボエンジンと1基の電気モーター、6速ATという組み合わせで、そして後輪を高出力モーターで駆動するデュアルブートハイブリッド。もうひとつは2.5Lエンジンを使った2モーターハイブリッドのTHSⅡにE-Fourという、トヨタでは定番のものである。

前者のパワートレインのRSで感じたのは、まさしくクラウンが若返ったということだった。無理に若ぶってスポーティに振る舞うというのではなく、身も心も鍛え直してシャキッとした、そんな感じだ。

実際にボディは剛性感高いけれど決して重々しくはなく、まさにカチッとした良いモノ感をたたえている。ステアリングフィールがしっとり饒舌なのもそんな好印象を倍加しているのは間違いない。

コーナリングも、FFベースなんてことは関係無く快感に満ちている。ニュートラルな旋回感覚には標準装備の後輪操舵も効いていて、修正少なくピタッと狙ったラインに乗せていける。新しいリアサスペンションのおかげだろう、ピタッとした位置決め、高出力のリアモーターを活かした緻密な駆動力制御も大きな役割を果たしているはずだが、何か刺激的というのではなく普通のレベルが際立って高い。そんな自然で、かつ高次元のフットワークである。

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