「早期退職」お金だけで決めていい"超納得の理由" 50代は"プレミアムな退職条件"を逃してはダメ

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早期退職・希望退職は、似たような制度ですが、いくつかの違いがあります。ここで早期退職・希望退職の違いについて、改めて確認しておきましょう。

早期退職とは、正式には「早期退職優遇制度」。これは従業員の自主的な退職をサポートする制度です。「選択定年制」とも呼ばれ、恒常的に運用されているので、従業員が希望すれば、自由なタイミングで退職することができます。

早期退職のメリットは、「定年の時期を選べること」「退職金の割増」「再就職支援」などの優遇措置があることです。ただし自己都合退職扱いとなることが多く、失業保険の手続きから約2ヶ月間は失業保険を受給できないなどがあり、当面の生活費を確保しておく必要があります。

一方、「希望退職」は、退職する従業員を募集する制度です。一般的には、リストラや人員整理の前段階として運用されています。

希望退職のメリットも、「退職金の割増」や「再就職支援」、あるいは「失業保険をすぐに受給できること」です。希望退職は、「会社都合退職」の扱いになるため、早期退職と比べると公的保証が手厚くなります。

ただし、希望退職は会社との合意が必要です。応募したからといって必ず退職できるわけではありません。また、時期も限定されているため、退職後の仕事が何も決まっていなくても、退職せざるを得なくなったりすることもあります。

次のチャンスがあるかどうかはわからない

早期退職・希望退職は、お金の条件が良いのなら、すぐに飛びつけばいいと思います。たとえば、退職後は地方で蕎麦屋やカフェをやりたい、農業を始めたい、そんな第二の人生を思い描いている人にとっては、またとないチャンスです。

住宅ローンを一掃して生活費がそんなにかからない状態にすることできれば、新しい商売がすぐに軌道に乗らなくても1〜2年は持つかもしれません。

もしくは、すぐに転職しなくても数年間は食べられるだけの退職金が出る。そういう条件なら、早期退職・希望退職という制度を活かすのはアリでしょう。

とはいえ、1〜2年はすぐに経ってしまいます。お金の計算は慎重にする必要があるでしょう。起業をしても1〜2年で結果を出すのは厳しい、あるいは転職先を見つけるのは難しい。そう判断した場合は、ちょっと待ったほうがいいかもしれません。

早期退職は恒常的に運用されている制度です。希望退職は再度実施されたりもします。いちど声をかけられた人は、次の機会も声をかけられる可能性が高いです。慌てて決断するより、適切な時期を待った方がいい場合もあるでしょう。

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