夢の乗り物「リニア新幹線」に乗って感じた疑問点 地震の際の緊急停止は?検査サイクルは?
今回乗車した改良型試験車は、既存のL0系に比べて、先頭車の形状に変化がみられる。先頭部の空気抵抗を約13%下げたうえ、車外の騒音や消費電力を低減している。また、前照灯や前方視認用のカメラの位置を上部に変更しており、視認性を向上している。
特記として、従来のL0系では先頭車に車内電源用のガスタービン発電装置が搭載されていたが、改良型は誘導集電方式を全面的に採用したことにより、発電機は非搭載となっている。この誘導集電方式により、走行速度にかかわらず、車両が浮いた状態でも非接触で地上側から電力供給が可能となっている。
タイヤ走行から浮上走行へ
座席の座り心地は東海道新幹線とあまり変わりなく感じたが、速さは段違いで、45秒ほどで時速150kmに到達した。時速150kmまではタイヤ走行だったが、この後リニアはタイヤを車両に格納し、浮上走行に切り替わる。タイヤの摩擦音はなくなったが、車両が少し浮き上がったことや振動などをほとんど感じることなく、リニアは超高速で走り続ける。
時速250kmからさらに加速し、モニターの速度を見るとすでに時速350km。まだ揺れも少なく音も静かだ。しかし時速400km近くになると、まるで飛行機に乗っているかのような小刻みな振動と音を感じる。2分30秒ほどで、速度は時速500kmにまで到達した。
正直、体感的には超高速の時速500km走行があまりわからない。それほど揺れも音も予想していたものよりも少ないのだ。JR東海の担当者によると、「山梨リニア実験線には、最大40パーミルの勾配や、最小曲線半径8000mのカーブもあるが、時速500kmでも減速せずに走り抜けるので、勾配にもカーブにも気づきにくいのではないか」とのことで、驚くばかりであった。
減速してタイヤ走行に切り替わったあとは、まるで飛行機に搭乗している際に感じる着陸時のように、接地の振動と音を体感することができる。
わずか20分ほどで、今回の1往復半の行路を完走した。まさに、未来の乗り物としか表しようがない感覚であった。
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