保護者向け、2022年がよくわかる「最も読まれた記事」トップ10 中学受験から不登校、ギフテッド、海外進学まで
「授業が簡単すぎる『吹きこぼれ』を伸ばす本場米国の教育が日本へ」では、才能を見いだして育てる環境が不十分といわれる日本の課題と、その解決のために必要な教育のあり方について詳しくまとめている。
2022年、首都圏の私立・国立中学受験者数が過去最多
少子化にもかかわらず、都心では子育て層の流入が続く湾岸エリアなどを中心に子どもの数が増えている。教育に関心が高い保護者が多く、中学受験のために低学年から塾に通わせる家庭も少なくない。こうした中、2022年の私立・国立中学の受験者数が過去最多となった。
「あくまで首都圏の話」と、地方にお住まいの方は自分には関係のない話と思うかもしれないが、首都圏の中学入試で起こっていることが、これからの日本の教育の行方を示すことにもつながっている。
「首都圏の中学受験『最難関校より中堅校』の志願者増に見る保護者の変化」では、そんな首都圏の中学受験事情から学校選びなどの変化、大学入試の最新事情まで教育ジャーナリストの中曽根陽子氏が解説している。
「6人に1人が医学部進学」の豊島岡女子
そんな中学受験で人気の学校の1つに豊島岡女子学園がある。東京の私立中学校では桜蔭と女子学院、雙葉が「女子御三家」として知られるが、近年台頭が著しいのが鷗友学園女子と吉祥女子、そして豊島岡女子学園の3校からなる「女子新御三家」といわれている。
豊島区にある豊島岡女子は、私大医学部の合格実績は全国でもトップクラスで、2022年度の医学部進学者は56人。医学部の延べ合格者数は現役だけで136人、既卒者を含めると200人を超えた。同年度からの新カリキュラムでは探究や理数教育を充実させ、さらなる学びの強化を図る。
「『6人に1人が医学部進学』の豊島岡女子が、22年度から完全中高一貫へ」では、 こうした日の出の勢いを内側から見てきた校長の竹鼻志乃氏に、これまでの歩みとこれからの展望について聞いている。
女子新御三家、鷗友が「最高級幕の内弁当」の訳
もう1つ、「女子新御三家」の中から鷗友学園女子中学高等学校を紹介したい。「女子新御三家、鷗友が『最高級幕の内弁当』の訳」では、校長の大井正智氏にその特徴について聞いている。
「たくさんのおかずが入っていて、そのどれにも栄養がある幕の内弁当が理想です。うな重やとんかつ弁当のような1つのおかずで一点豪華主義を目指すような方針ではありません。学校で経験するすべての活動を通して成長を目指しています」
独特の表現だが、大井氏のインタビューからは知識詰め込み型とは一線を画す特徴的な学びの実態が見えてきた。つねに生徒の自主性を重視し、生徒中心の教育を進めてきたことで、胆力も育っているという。伸びているのは生徒自身の主体性であり、そこに人気と偏差値がついてきているようだ。
日本の子ども、幸福度調査「世界ワースト2位」
2022年は、日本の子どもの幸福度や自己肯定感の低さが、たびたび話題となった年だった。先進国の子どもの状況を比較・分析しようと00年から行われているユニセフ報告書「レポートカード」。20年に発表された「レポートカード16」では、日本の総合順位は38カ国の中で20位、精神的幸福度はワースト2位だった。
この結果はどんな意味を持ち、どんな状況を表しているのか。「日本の子ども、幸福度調査『世界ワースト2位』隠れた真の問題点とは?」では、子どもの貧困の研究者として、レポートカードのデータ提供や解説を行っている東京都立大学 人文社会学部教授で、子ども・若者貧困研究センターのセンター長を務める阿部彩氏に話を聞いた。