記事の目次
世界で活躍できる子どもの育て方や日常の学習のコツ
生まれつき高い能力を持った子ども「ギフテッド」とは?
授業が簡単すぎてつまらない「吹きこぼれ」に対するサポートへ
2022年、首都圏の私立・国立中学受験者数が過去最多
「6人に1人が医学部進学」の豊島岡女子
女子新御三家、鷗友が「最高級幕の内弁当」の訳
日本の子ども、幸福度調査「世界ワースト2位」
不登校の児童生徒は24万4940人で過去最多
従来のPTA組織を廃止し、ボランティア制へ
「PTAは必要?」保護者と教員1200人に聞いた

世界で活躍できる子どもの育て方や日常の学習のコツ

大分県の公立高校から独学で米ハーバード大学に現役合格し、首席で卒業。さらには世界最高峰のジュリアード音楽院も首席で卒業したバイオリニストの廣津留すみれさんをご存じだろうか?

そのすみれさんを地方の公立校から、いっさい塾に通わせず、海外トップクラスの大学へと導いた母親の廣津留真理さんに取材した「18年間『公立・塾なし・留学経験ゼロ』でハーバード入学させた母が語る、子育てと学習法」は、TwitterなどのSNSを含めて広く拡散された記事だ。

すみれさんが巣立った現在、真理さんは自らが開発した「ひろつる式」英語指導法を基に全国の学生を対象にオンラインのディリーゴ英語教室を運営するほか、一般社団法人「Summer in JAPAN」代表理事として、毎年大分でグローバル人材を育成するためのサマースクールなども開催している。記事では、そんな真理さんに世界で活躍できる子どもの育て方や日常の学習のコツなどについて聞いおり、たくさんのヒントを得られるに違いない。

生まれつき高い能力を持った子ども「ギフテッド」とは?

米ハーバード大学やスタンフォード大学など、日本の高校から海外大学へ進学する生徒が増えている。そうした中、大川翔さんは生まれつき高い能力を持った子ども、いわゆるギフテッドとしてカナダ政府に認定され、幼い頃から海外で学び続けている。

大川さんは親の仕事の関係で5歳でカナダへ渡航し、公立小学校に通っている9歳の時、カナダ政府にギフテッドと認定された。その後、12歳で公立高校に飛び級進学し、14歳の時にブリティッシュコロンビア大学(UBC)ほか、マギル大学、トロント大学などカナダの5つの大学に奨学金付きで合格し、2014年9月にUBCに入学。現在は、UBCで博士号を取得すべく大学院に通う22歳だ。

「大川翔、カナダ政府に『9歳でギフテッド認定』天才はどう勉強してきた?」では、実際にどのような人がギフテッドと認められるのか、どのようにしてギフテッドの能力は育まれるのか、大川さんの生い立ちや学習環境、今後の進路などについて聞いている。

授業が簡単すぎてつまらない「吹きこぼれ」に対するサポートへ

生まれつき特別な才能を持つ子どもたちの能力を伸ばすためのギフテッド教育の必要性が、日本でも叫ばれるようになっている。日本では「落ちこぼれ」の支援は手厚く行ってきた一方、授業が簡単すぎてつまらないといった「吹きこぼれ」に対するサポートは少ないからだ。

そんな中、ISAKジャパン代表理事の小林りん氏らが設立した一般社団法人Education Beyondは、多様化する教育ニーズに応えるため、米国のギフテッド教育の1つであるCenter for Talented Youth(CTY)の学習プログラムを日本で展開していくという。

「授業が簡単すぎる『吹きこぼれ』を伸ばす本場米国の教育が日本へ」では、才能を見いだして育てる環境が不十分といわれる日本の課題と、その解決のために必要な教育のあり方について詳しくまとめている。

2022年、首都圏の私立・国立中学受験者数が過去最多

少子化にもかかわらず、都心では子育て層の流入が続く湾岸エリアなどを中心に子どもの数が増えている。教育に関心が高い保護者が多く、中学受験のために低学年から塾に通わせる家庭も少なくない。こうした中、2022年の私立・国立中学の受験者数が過去最多となった。

「あくまで首都圏の話」と、地方にお住まいの方は自分には関係のない話と思うかもしれないが、首都圏の中学入試で起こっていることが、これからの日本の教育の行方を示すことにもつながっている。

「首都圏の中学受験『最難関校より中堅校』の志願者増に見る保護者の変化」では、そんな首都圏の中学受験事情から学校選びなどの変化、大学入試の最新事情まで教育ジャーナリストの中曽根陽子氏が解説している。

「6人に1人が医学部進学」の豊島岡女子

そんな中学受験で人気の学校の1つに豊島岡女子学園がある。東京の私立中学校では桜蔭と女子学院、雙葉が「女子御三家」として知られるが、近年台頭が著しいのが鷗友学園女子と吉祥女子、そして豊島岡女子学園の3校からなる「女子新御三家」といわれている。

豊島区にある豊島岡女子は、私大医学部の合格実績は全国でもトップクラスで、2022年度の医学部進学者は56人。医学部の延べ合格者数は現役だけで136人、既卒者を含めると200人を超えた。同年度からの新カリキュラムでは探究や理数教育を充実させ、さらなる学びの強化を図る。

「『6人に1人が医学部進学』の豊島岡女子が、22年度から完全中高一貫へ」では、 こうした日の出の勢いを内側から見てきた校長の竹鼻志乃氏に、これまでの歩みとこれからの展望について聞いている。

女子新御三家、鷗友が「最高級幕の内弁当」の訳

もう1つ、「女子新御三家」の中から鷗友学園女子中学高等学校を紹介したい。「女子新御三家、鷗友が『最高級幕の内弁当』の訳」では、校長の大井正智氏にその特徴について聞いている。

「たくさんのおかずが入っていて、そのどれにも栄養がある幕の内弁当が理想です。うな重やとんかつ弁当のような1つのおかずで一点豪華主義を目指すような方針ではありません。学校で経験するすべての活動を通して成長を目指しています」

独特の表現だが、大井氏のインタビューからは知識詰め込み型とは一線を画す特徴的な学びの実態が見えてきた。つねに生徒の自主性を重視し、生徒中心の教育を進めてきたことで、胆力も育っているという。伸びているのは生徒自身の主体性であり、そこに人気と偏差値がついてきているようだ。

日本の子ども、幸福度調査「世界ワースト2位」

2022年は、日本の子どもの幸福度や自己肯定感の低さが、たびたび話題となった年だった。先進国の子どもの状況を比較・分析しようと00年から行われているユニセフ報告書「レポートカード」。20年に発表された「レポートカード16」では、日本の総合順位は38カ国の中で20位、精神的幸福度はワースト2位だった。

この結果はどんな意味を持ち、どんな状況を表しているのか。「日本の子ども、幸福度調査『世界ワースト2位』隠れた真の問題点とは?」では、子どもの貧困の研究者として、レポートカードのデータ提供や解説を行っている東京都立大学 人文社会学部教授で、子ども・若者貧困研究センターのセンター長を務める阿部彩氏に話を聞いた。

不登校の児童生徒は24万4940人で過去最多

文部科学省は2022年10月、全国の小中学校で21年度に不登校だった児童生徒は24万4940人と過去最多となったことを公表した。こうした不登校児童生徒への対応も、日本の子どもたちの幸福度を考えるうえで、今までのあり方を見直すべき課題の1つと言えるのではないか。

最近はその一因に「起立性調節障害」という病気があることが知られるようになってきた。一方で、「誤解も生じている」と話すのは、小児神経専門医として不登校の子どもたちの診療に当たる岐阜大学大学院教授の加藤善一郎氏。

「小児神経専門医が警鐘、問題生む『不登校=起立性調節障害』という誤解」では、不登校特例校の岐阜市立草潤中学校で「こころの校医」も務め、講演や著作を通じて起立性調節障害の啓発に取り組む加藤氏に、起立性調節障害から学校に行けなくなっている子どもの現状や、周囲が理解すべきことなどについて聞いている。

従来のPTA組織を廃止し、ボランティア制へ

最後に、定番人気となっているPTAを取り上げた2つの記事を紹介したい。

子どもたちの健やかな成長を目的に保護者と学校、地域が協力し合ってさまざまな活動を行うPTA。コロナ禍で活動の縮小を余儀なくされる一方で、ここ数年で改革に取り組むPTAが増えてきている。

「活動負担が大きい」「義務感、強制感、前例踏襲感が強い」などネガティブな声が聞こえる中、従来の組織を廃止し新たな団体を立ち上げ、すべての会員が義務感を感じることなく活動する学校も少しずつ増えてきているのだ。

「義務感、強制感ゼロ『PTAをなくした』学校の実際」では、2013年度をもってそれまでのPTAを廃止、1年の準備期間を経て15年度からすべての活動を“ボランティア制”で行う「PTO」に生まれ変わった東京都大田区立嶺町小学校を取材した。

「PTAは必要?」保護者と教員1200人に聞いた

PTAは、共働きの家庭が増加する中で、保護者に負担を強いる活動として敬遠される向きは依然として強い。

東洋経済では2021年12 月、保護者と教員それぞれ600名、計1200名にPTAに関する意識調査を行って、その結果を22年3月「保護者と教員1200人調査でわかった『PTAは必要?』の超本音」
で公開している。

PTAの必要性そのものについては、61.5%もの保護者と、54.2%の教員が肯定しているものの、ペーパーレス化やオンライン会議など活動の見直しや効率化を目指すべきといった意見が多いなど、改革が急務であることは結果からも明らかだ。これから改革を進めていくというPTAには、ぜひ参考にしてほしい記事だ。

(注記のない写真:Fast&Slow / PIXTA)

上記記事をまとめ、さらに2023年最新の「子育て」に関する記事も追加した動画はこちらで公開しています。

最新の「子育て」人気記事とは? その他、ギフテッド教育、首都圏の中学受験、PTAのリアルなど話題の記事も動画で紹介