休眠アカウントは乗っ取りに無防備で、印象操作などに悪用される恐れも大きい。野放しにされた膨大な休眠アカウントがSNSの安全性を脅かす面は確かにある。ただ、本人が不在でも大切にしている他者がいる故人のアカウントまでまとめて抹消するのは横暴だというのが、反発したユーザーの代表的な意見だった。
このときのTwitter社の反応は早かった。数日後に公式アカウントがツイートを連投。故人のアカウントを保護する方法を確立するまでは休眠アカウントの一斉削除を行わないと明言し、騒動を収めている。
その後、方策として「追悼アカウント」機能の実装計画を明らかにしたが、当初は2021年内にリリース予定だったものが2022年内に延び、12月10日現在においてもアップデートされておらず、その気配が見られない。
ただでさえ積み残し案件となっていたところにマスク氏のCEO就任に伴う大量リストラがあったことを考えると、予定通りに進むことを期待するのは酷かもしれない。
オンラインの形見は儚い
もしかしたら、新規の引用リツイートがなされる休眠アカウントは抹消リストから除外するなどの措置を講じるのかもしれないし、「ご冥福」や「R.I.P.」などの文言が添えられたアカウントを自動で保護する機能を実装するのかもしれない。
しかし、マスク氏やTwitter社はそうした保護を一切行わずに単なる休眠アカウントでも、故人のアカウントでも一斉に抹消する道を選ぶ可能性はある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら