いつ開業?「臨海地下鉄」晴海・都心直結実現なるか 整備費は巨額、TX接続や羽田空港直通構想も
近年急速に開発が進み、タワーマンションが立ち並ぶ東京の臨海部。東京オリンピック・パラリンピック選手村跡地のマンション「HARUMI FRAG(晴海フラッグ)」などが注目を集める一方、交通アクセスの不便さが目立つ同地域と都心部を結ぶ地下鉄の整備が、実現に向けて一歩前進した。
東京都は11月25日、東京駅や銀座と晴海・勝どきなどの臨海部を結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄」の事業計画案を発表した。同地下鉄は地元の中央区が以前から整備を求めており、国土交通省の交通政策審議会(交政審)も2021年に「事業化に向けて検討の深度化を図るべき」と答申した路線。同日の記者会見で小池百合子都知事は「都心部と臨海部とをつなぐ基幹的な交通基盤で、いわば背骨としての役割が期待されている」と述べた。
ただ、建設には莫大な費用が見込まれ、整備や事業主体の検討もこれからだ。一歩を踏み出したとはいえ、この先の道のりは長い。
東京駅とビッグサイトを結ぶ6km
事業計画案によると、都心部・臨海地域地下鉄は東京駅から新銀座、新築地、勝どき、晴海、豊洲市場の各駅を経て有明・東京ビッグサイト駅(駅名はすべて仮称)に至る全7駅、約6.1kmの路線。概算事業費は最大約5100億円で、開業後30年以内の黒字化を想定している。数値が1を上回ると効果があるとされる、整備の費用対効果を表す指標「費用便益比」(B/C)は「1以上」だ。
中央区の山本泰人区長は都の事業計画案発表を受け、「大変喜ばしく感じております」とのコメントを発表。同区環境土木部交通課の担当者も「区はこれまで早期実現に向けた『推進大会』などを開き、地域一体で整備に向けて取り組んできた。今回の計画案が示されたことで、整備に向けて着実に近づいてきていると感じている」と話す。
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