アウディ「Q4 e-tron」乗ってわかったBEVの実力 高級車購買層の間で脚光を浴びる背景を探る

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アウディ「Q4 e-tron」のインテリア
アウディ「Q4 e-tron」のインテリア(撮影:鈴木 紳平)

試乗車はルーフラインを絞り込んだ「Q4スポーツバックe-tron 40 Sライン」で、室内も黒一色だったため広々とした印象とまでは言えないものの、後席に座ってみると前席までの距離はかなり広く取られているのがわかった。加えて動力を伝えるシャフトが室内には通っていないため、後席に3人乗っても中央の人が窮屈な思いをしなくて済むのがいい。

試乗イベントの拠点は東京都の郊外、八王子駅にほど近い「たま未来メッセ」という建ったばかりの公共施設だった。自動車のプレス向けイベントではなじみのない場所だが、集合住宅より戸建てが多いこの地域こそ電気自動車の潜在ユーザーが多いとアウディは踏んでいるのかもしれない。

中央自動車道の八王子インターチェンジも近い。プレゼンテーションが行われるホールから、屋内の廊下を通って十数台もの試乗車が出入りするというのは、排ガスを出す内燃機関車では考えられないことだ。

高い静粛性、乗り心地は引き締まった印象

市街地を走り出してまず感じるのは静粛性の高さだ。発進加速のシーンでは歩行者に対する警告のためか低いうなりを発し、その音がなんとなくドイツ車っぽくもあるのだが、もちろんエンジン付きのクルマに比べてスムーズで静かだし、路面状況が変化したことによるロードノイズの変動が少ないのが好ましい。

乗り心地は20インチ・タイヤの逞しい外観から想像するとおり、速度を問わず終始引き締まった印象だ。SUVにありがちな、大きな入力や速度増加に対して煽られて、車体の向きと操舵の方向が一致しないアンバランスさはない。

最高出力150kW、馬力に換算すれば204psに対して車重2100kgなので、加速力は必要にして充分というレベルにすぎないとはいえ、後輪駆動プラットフォームの美点は操縦性に表れる。これまでもアウディは路面の状況を繊細に伝えるモデルが多かったが、Q4 e-tronでは加減速が操舵のフィーリングに影響しにくいのだ。高速道路に進入するランプのカーブなど、思いどおりに心地よく旋回する感触を楽しむことができた。

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