アウディ「Q4 e-tron」乗ってわかったBEVの実力 高級車購買層の間で脚光を浴びる背景を探る

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アウディ「Q4 e-tron」
リアスタイルもアウディらしさを残しつつ、新時代を感じさせる(撮影:鈴木 紳平)

充電設備の設置には1基1000万~1500万円といわれる機材コストだけでなく、メンテナンスや場所を確保する費用も必要になる。同じグループ内なのだから融通を利かせるのは当然のことだろう、と思う人もいるかもしれないが、そもそも高級車の商売はブランドを売っているようなものだ。

ブランド・アイデンティティーとかブランド・セパレーションとか、どこの会社も独自の世界観を生み出すためデザインや設備や宣伝活動を工夫し、インポーターもディーラーも多額の投資を続けてきた。

とくに日本のディーラーは単一ブランド専売店が多く、自社のディーラーに他社のクルマが入ってくるようなことは誰も歓迎しないはず。しかし急速充電の利便性を提供するために背に腹は代えられない。

アウディ初の「MEB」採用

Q4 e-tronが人気を集めている背景には、ハードウェアの出来栄えに対する評価や期待もある。着目すべきはアウディとして初めてVWグループの電動車専用プラットフォーム「MEB」を採用したことにある。

後部床下に配置される最高出力150kW/最大トルク310Nmのモーターによって後輪を駆動する。前輪駆動または4WDだったこれまでのアウディの主力車種とはまったく異なるレイアウトを採用しているのだ。77kWhのバッテリーは前後輪の間の床に敷き詰められている。

パッと見た第一印象ではこれまでのアウディ各モデルと並べてもまったく違和感がないデザインだが、フロントグリルはもはやエンジンの冷却のためにあるわけではなく風を通さないパネルだし、実はホイールベース(前輪と後輪の距離)が長めに取られていて室内を広くしている。

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