日本人が愛した「ジャニーズの名曲」変遷の軌跡 時代と共に読み解く「光GENJI」「嵐」「Snow Man」
“パステルカラー”の恋愛賛歌『花とみつばち』
1964年、男性アイドルグループ「ジャニーズ」(事務所名と同名、あおい輝彦が在籍)の『若い涙』から始まったジャニーズソングの歴史。1968年デビューの「フォーリーブス」に続き、1970年代、現在のジャニーズの特徴をビビッドにしたのが「郷ひろみ」だ。
そのか細くキュートなルックスと高い声は世の中をどよめかせた。特に『花とみつばち』(1974年)は、今聴いてもマカロン100個レベルのスイートさ! 恋の舞い上がり感が、彼の中性的な個性により天井知らずに体感できる名曲である。
この少し気恥ずかしいほどに甘くやさしい世界観は、ジャニーズソングの王道に。1980年代には『ハッとして! GOOD』などで「田原俊彦」がその旗を受け継ぎ、その後「少年隊」が『君だけに』で愛のスケールを宇宙レベルまで広げて包み込んでくれた。
平成では、2018年に「King & Prince」が『シンデレラガール』で、令和では2021年に「なにわ男子」が『初心LOVE』で乙女たちの恋心を鷲掴みにしている。
なにわ男子はユニセックスな雰囲気に令和を感じるが、King & Princeの『シンデレラガール』は当時の流行とはまったく関係なく「不変の王子像」をいきなり提示されたイメージ。最初こそ「キング? プリンス? シンデレラ??」と戸惑ったが、キラキラに抗えない自分がいた。そして王道の素晴らしさと、それを見せつけてくる彼らの輝きに感動したものである。両者とも今年の紅白歌合戦に出場。楽しみだ。
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