フェラーリ「プロサングエ」は姿も中身も圧倒的だ 初の4ドア4人乗りモデルはいったいどんな車か

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フェラーリ「プロサングエ」
ボディ上部と、カーボンファイバーの素材感が見えるフェンダーまわりとボディ下部とは、後で合体させたイメージとデザイナーは説明

「4ドアのフェラーリが欲しいという声は、早くも1960年代に、オーナーから寄せられていました。創設者エンツォ・フェラーリ(1898~1988年)も4ドアを好んでいたのは事実です。でも、同時に、エンツォ・フェラーリは、本当のスポーツカーでないとフェラーリの名をつけるのを認めませんでした」

4ドアのフェラーリが出るまでには、その頃から60年ぐらいかかったことになる。プロサングエの発表にこぎつけたのは、「これなら”フェラーリ”にふさわしい走行性能を、電気モーターを使ったアクティブサスペンションが可能にしたからです」。マラネロでの発表会のとき、チーフ・プロダクトデベロップメント・オフィサーのジャンマリア・フルゼンツィ氏は教えてくれた。

コードネーム・プロサングエの意味は「サラブレッド」

「4ドアだけれど、100パーセント・スポーツカー。それを確信したとき、正式車名として、開発時のコードネームだったプロサングエをそのまま使用することに決めました。英語だとサラブレッドという意味です」。前出のガリエラ氏は説明する。

「シャシーの共用化はしない」と言い切るフェラーリは、3018ミリのホイールベースを持つモノコックシャシーを開発。65度のバンク角を持った6496ccV型12気筒エンジンを、前車軸より後ろに搭載した、いわゆるフロントミドシップだ。

フェラーリ「プロサングエ」のエンジン
フロントミドシップの6496ccV12エンジンは533kW/7750rpmの最高出力と、716Nm/6250rpmの最大トルクを発生

ドライサンプ化によって重心高を下げたこのエンジンは新開発。ターボチャージャーともハイブリッドシステムとも無縁の自然吸気型だ。533kWの最高出力と、716Nmの最大トルクでもって、リアに載せたトランスアクスル方式の8段ギアボックスを介して4つの車輪を駆動する。

車重は2トンを超えるものの、静止から時速100キロまでの加速には3.3秒しかかからない。ボディは「風の彫刻」とフェラーリがホームページで謳うように、徹底的に空力効果が追求されているといい、最高速は時速310キロに達するそうだ。

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