フェラーリ「プロサングエ」は姿も中身も圧倒的だ 初の4ドア4人乗りモデルはいったいどんな車か

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フェラーリ「プロサングエ」の内装
シンプルにまとめられたセンターコンソール

コクピットにからだを落ち着けると、センターコンソールが高めで、囲まれ感が強いのがまず印象的だ。ダッシュボードには「デュアルコクピット」なるテーマが採用されていて、助手席前のモニターが大きく、情報量が多いのは、フェラーリとして新しい。

後席も、バケットタイプのシートがからだを包む感じだし、2つの席のあいだには高めのセンターコンソールが設けられていて、タイト。でもスペースはしっかり確保されていて、けっこう快適そうだ。

フェラーリ「プロサングエ」のコクピット
プロサングエのデュアルコクピット

フェラーリはこれから変わっていくのだろうか。

「私たちは、(2025年に)ピュア電気自動車を出すと発表していますが、未来は予測不能との見解から、方向性を1つに絞りきっていません」

フェラーリはエンジン開発をやめない

スポーツカーの未来をどう考えているか、私の質問に対するガリエラ氏の答えだ。2022年6月の投資家向け「キャピタルマーケッツデイ」において、フェラーリ本社は「ガソリンエンジンの開発はやめない」と明言している。

2023年から2026年にかけて15のニューモデルを発表する計画も、同時に発表。生産台数はフェラーリの方針として絶対につまびらかにしないものの、デイトナSP3など「イコーナ」シリーズやスーパーモデルの比率は5パーセント、標準モデルをさらにチューンナップしたスペシャルシリーズは10パーセント、そしてプロサングエは20パーセントに抑える割合が発表されている。

プロサングエは、あまりにも人気が高く、一説によると、生産予定台数分はすでにすべて受注済みだとか。今回のウニベルソ・フェラーリの開催前の記者会見において、オーストラリア人の記者に確認されたガリエラ氏は、「そんなことはないですよ」と答えていたが。買えれば本当にラッキー、というのが世界中のフェラーリファンの共通認識なのだ。

プロサングエの価格は4760万円。庶民には到底手が出ないが、このクルマを買おうとするような超富裕層にとっては、何の問題もない価格なのだろう(ため息)。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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