「数学って役立ちます?」東大生がMBA教授に質問 「仕事ですごく使います、安心してください」

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嶋田:もちろん、数学だけを学べばいいということではありません。

嶋田 毅(しまだ つよし)/グロービス経営大学院教授、グロービス出版局長。東京大学理学部卒業、同大学院理学系大学院修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。ベストセラーである「グロービスMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。著書に『MBA100の基本』『KPI大全』(いずれも東洋経済新報社)など多数。グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、ビジネスプラン、管理会計、自社課題などの講師を務めるほか、各所で講演、新聞などへの寄稿も行っている(撮影:尾形文繁)

たとえば地理と歴史を勉強すれば、ウクライナ問題が見えてきます。学問全般に言えることですが、学びには「世界の見え方を変える」力があると思います。

西岡学ぶことによって、見える世界がどんどん変わっていく、広がっていくというのは非常によく理解できます。僕自身がそうでした。

高校生のときは偏差値が低く、勉強なんてなんの意味があるんだとしか思っていませんでしたが、やってみるにつれて「物の見方」を理解できるようになったことが印象深いですね。

嶋田:グロービス経営大学院では、よく「学びは最高のエンターテインメントになる」と伝えています。経営学を知ることによって、こんなことができるようになったら楽しいよね、と。

ほかにも例えば、語学がわかりやすいですね。知らない外国語を勉強すれば、その国の人とコミュニケーションがとれて、仕事もできる。昨日できなかったことができるようになるわけです。

世界でいちばん社会人が学ばない日本

嶋田:日本は、大学受験までは、中国、韓国と並んで最もよく勉強する国なのですが、残念なことに、社会人になってからは、先進国の中ではいちばん勉強しない国と言われています。

西岡:英語や社会科などは、なんとなく勉強しやすいイメージがありますが、数学はハードルが高いように思います。受験でも避けてきて、うまくいかなかったという失敗体験を抱えた人も多いでしょう。

はじめの一歩として、数学を学びたいと思ってもらうために、どんなポイントがあるでしょうか?

嶋田:数学は、これを知らないと次が理解できないというように積み上げが大事ですよね。ですから、数学が苦手な人は、中学の数学など簡単に学べそうなところから始めると、理解しやすくなると思っています。

スポーツも同じで、やはり基礎が重要です。サッカーなら、足元を見ずにパスを出すということが基本ですが、意外とできない人がいます。かなり前の段階に戻って、くり返しやってみるといいと思いますね。

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