2023年はいよいよ「日本復活元年」になりそうだ 日経平均株価は「上へ上へ」と行きたがっている

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そのほかにも今週は、11月29日にドイツで、30日にはユーロ圏で11月のCPIの発表がある。どちらも10月は10%台の上昇という「異常物価」を示していたが、はたして1桁台に収まってくるだろうか。

一方、12月1日にはアメリカの10月のPCE(個人消費支出)が発表される。予想は前月比、前年同月比ともに9月から若干低下する見込みだ。また同日には、11月のISM製造業景況指数も発表されるが、これも前月から低下予想だ。

もし予想どおりの数字が出た場合、マーケットは利上げピッチ低下でポジティブと取るか、それとも景気後退でネガティブに取るか。マーケットの目が安定していない現在、かなりの不安定要因だ。強気派がイマイチ盛り上がらないのも納得できる。

逆金融相場を克服、2023年は「日本復活元年」になる

さて、少し早いが、最後に2023年の展望を簡単に述べておこう。

2022年を短く振り返ると、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、2月にはロシアによるウクライナ侵攻が始まった。予想外の消費者物価上昇への対応で、米欧の金融政策は引き締めへと大きく転換、利上げが異例の速度で実施された「強烈な逆金融相場」となった。世界の潮流は、デフレ脱却を目指す日本も直撃して、日経平均は結局年初を高値とする約4000円幅の大モミ合いの1年で終わりそうだ。

しかし、景色は変わった。コロナは収まらないが、ウィズコロナ経済は定着しつつあり、ウクライナ侵攻の影響で急騰した物価も収まりつつある。異常な利上げもピークアウトした。デフレ脱却を目指す日本を遮るものは何もない。

新年相場は日本の「モミ合い抜け」からスタートすることになりそうだ。メインシナリオはモミ合い幅の約4000円を、1月高値2万9332円に上乗せた「倍返し」の3万3300円前後が高値のメドだ。

もし日本の好循環が約30年ぶりに始まったと考えると、この30年間で蓄積されたエネルギーの爆発は、その程度で終わるとも考えられない。多くの投資家が経験したことのないインフレ下の株式市場で、2023年は「日本復活元年」となり、「日経平均4万円抜け」も決して夢ではないとみる。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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