東京駅で反撃、JR東海「エッジ利かせた」販売戦略 コロナ禍だから発見できた「おうち土産」需要

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JR東京駅はJR東日本とJR東海の駅である。基本的には、線路がある高架を所有する会社がその下の用地の持ち主となる。したがって在来線および東北・上越・北陸新幹線の真下という東京駅の大半の部分がJR東日本の用地であり、東海道新幹線16~19番線ホームの真下がJR東海の用地となる(14~15番線ホームはJR東日本の用地)。

広いスペースを持つJR東日本とは対照的に、JR東海の敷地は狭い。それだけに店舗展開にはどうしても制約が出る。八重洲側の地下にあるJR東海の敷地で運営されているのは、テレビ局の公式ショップや人気キャラクターのショップがずらりと並ぶ「東京キャラクターストリート」や、朝から晩まで行列の絶えることがない「東京ラーメンストリート」。敷地の狭さをカバーするために総花的ではなく、エッジの利いた店舗展開を行い、それが当たっている。

東京ギフトパレット
「東京ギフトパレット」の店頭に商品を買い求める客が増えてきた(記者撮影)

一方、開業時の東京ギフトパレットのコンセプトは「つなぐ、いろどる」。人と人をつなぐ手土産や東京土産を充実させるほか、こだわりのお弁当を取りそろえるというものだ。ただ、東京ギフトパレットのすぐ隣には大丸百貨店があり、同じ東京駅構内にはJR東日本系の商業施設「グランスタ東京」がある。どちらも店舗面積は東京ギフトパレットとは比較にならないほど広い。品ぞろえではとても太刀打ちできない。対抗するには地下にあるラーメンやキャラクターのようにエッジを利かせる必要があるが、「つなぐ、いろどる」ではテーマが漠然としている。

“メインストリート”の反対側にも進出

そこに見出したのが「おうち土産」という新たな切り口だ。ここを深掘りすれば、強力なライバルとの違いを打ち出すことにもできる。

コロナ後の攻勢に向けJR東海と東京ステーション開発は新たな手も打った。東京駅の八重洲側には南北を結ぶ“メインストリート”がある。コロナ前はこの通りを多くの人が行き交っていた。東京ギフトパレットもそのメインストリートの片側に面しているが、それまで反対側にあったのはコインロッカー、自動販売機、倉庫など。消防当局が非常時の移動のためのスペースとすることを求めており、これまでは商業施設として活用することが認められていなかった。

東京ギフトパレットの非常口
非常時の移動用スペースとなっていた場所の脇に非常口(右)を設置したうえで店舗を開設した(記者撮影)

しかし、当局と交渉した結果、そのスペースのすぐ脇に出入り口を設置して、非常時はそこから避難するということで商業店舗として活用することが認められた。2021年6月に出入り口を設置して、早速店舗開設に動き出した。

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