他メーカーを見ると、例えばトヨタなら「ヤリスクロス」と「RAV4」「ハリアー」の間を埋める形で発売された「カローラクロス」がライバルになるだろう。ボディサイズは全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mmと全長・全幅ともにZR-Vより少し小さく、エンジンも1.8Lのハイブリッドとガソリンエンジンなので200ccほど排気量が少ない。ただし、車両本体価格は199万9000円〜319万9000円と安い。
価格帯でいえば、ボディサイズや排気量が若干大きくなるが、293万8000円〜563万3000円の「RAV4」や312万8000円〜620万円の「ハリアー」もグレードによって比較対象になるだろう。
日産であれば新型エクストレイル、マツダであれば「CX-5」もライバル車となってくる。新型エクストレイルは、車両本体価格が319万8800 円からで、ボディサイズは全長4660mm×全幅1840mm×全高1720mm。
CX-5の車両本体価格は276万6500円からとなっており、ボディサイズは全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mmだ。このようにZR-Vが含まれているミドルクラスSUVは、ライバルも非常に多いが、後発らしく質感の高さがうかがえるので商品力という面では十分勝機があるだろう。また、今回はボディサイズを中心に比較しているが、ZR-Vはホンダらしい、SUV版シビックと呼べるスポーツ性能も見逃せないポイントだ。
ZR-V 全長4570mm×全幅1840mm×全高1620mm
カローラクロス 全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mm
RAV4 全長4600~4610mm×全幅1855~1865mm×全高1685~1690mm
ハリアー 全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm
CX-5 全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mm
エクストレイル 全長4660mm×全幅1840mm×全高1720mm
来春発売だが、他メーカーも長納期は変わらない
最大のネックは、予想どおり来春となった発売時期だ。ただし、実際のところライバル車も納期が非常に長くなっているのが現状だ。例えば、カローラクロスの納期は現状不明だがハイブリッド車は1年以上という販売店情報もあり、ハリアーも同様に不明で販売店に問い合わせとなっており、RAV4も6カ月以上と11月8日時点で発表されている。日産のエクストレイルのオーダーについては一時停止となっており、CX-5も比較的納期が短いとはいえ、今からオーダーしても納車は春頃になるだろう。
この状況を見れば、ZR-Vの販売時期も納得がいく。というより来春発売によく間に合わせたというのが本音だ。それ以上に後発ゆえの完成度と高級感、そして他社にはないスポーティな走りは非常に魅力的だ。ミドルクラスSUVも各社出揃い、ここからの混戦が予想される。
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