「5代目プリウス」考え抜かれた内装にも映る進化 薄く見せながらも立体的な造型で囲まれ感を演出

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強く寝かされたウインドシールドにも目がいく。「(ラグジュアリークーペの)レクサスLCなみ」(トヨタ自動車の担当デザイナー)なのだそうだ。これもスポーティなシルエットに大きく貢献している要素。

インテリアに目を移すと、今回の最大の眼目は「アイランドアーキテクチャーの採用です」と、インテリアを担当したデザイン部グループ長の廣川学氏は教えてくれた。

5代目プリウスの内装
機能をクラスター分けした「アイランドアーキテクチャー」コンセプトと、ダッシュボード上の計器モニターが採用された(写真:トヨタ自動車)

具体的には、ステアリングホイールとメーターまわり、インフォテインメントシステムのモニターまわり、センターコンソールのシフターまわりなどが、かたまりのように、ひとつずつまとめられている。これをアイランド(島の意)と、トヨタのデザイナーは呼んでいるのだ。

5代目プリウスで目指したのは、「一目惚れするデザイン」と「虜(とりこ)にさせる走り」だという。

「薄く見せること」にこだわった

前出の廣川氏によると、インテリアも、上記のコンセプトにしたがってデザインし、大きな心地よい空間を目指したそうだ。そのために実施したのは「薄く見せること」。これもアイランドアーキテクチャーと関連している。

ダッシュボードを見ても、壁のようでなく、立体的にすることで厚み感を軽減している。たとえていうなら、1枚の板を手で持って丸く曲げた感じだ。空気の吹き出し口も上下幅が抑えられているし、センターコンソールも”アイランド”も、台座だけ別素材にして、なるべく薄く小さく見せるのに成功していると思えた。

おもしろい”発見”は、スマートフォンの充電システムだ。従来は平置きにするのが一般的だが、プリウスの場合、スリット型。縦にして入れれば充電が開始される。一見しただけでは、センターコンソールの薄いスリットが充電パッドだとはわからない。ここもしっかり薄い。

先述した"虜にする走り"にもインテリアデザインは貢献している。ひとつは「サラウンドタブ」なるテーマを採用。ダッシュボードとドアトリムをつなげるような造型にするとともに、センターコンソールの高さをやや上げている。結果、前席乗員(とくにドライバー)に囲まれ感を作り出した。

5代目プリウスの内装
ダッシュボードからドアまで内装材が連続して囲まれ感を演出している(写真:トヨタ自動車)
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