大塚家具の委任状争奪戦、金融3社の悩み 会長か社長か・・・難しい選択に

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 3月16日、創業者の父と社長の娘との間で経営権をめぐる委任状争奪戦が展開されている大塚家具、大株主となっている国内金融機関が今、どちら側の意見に賛成すべきか頭を悩ませている。株主の1社、三井住友FGの看板、都内で昨年11月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 16日 ロイター] - 創業者の父と社長の娘との間で、経営権をめぐる委任状争奪戦(プロキシ―・ファイト)が展開されている大塚家具<8186.T>。その大株主となっている国内金融機関が今、どちら側の意見に賛成すべきか頭を悩ませている。

日本版スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)導入によって棄権はできず、判断の大義名分が見い出せないまま、株主総会開催の27日が迫ってきた。

大票田・金融機関の議決権

「できれば、議決権を行使せず、棄権したいくらいだ」――。ある金融機関の幹部は、大塚家具の議決権行使をめぐる難しい立ち位置に関し、こう述べた。

大塚家具の大口株主の保有比率は、創業家の関係者を除くと、最大が米系投資会社のブランデス・インベストメントの10.7%、次が日本生命保険の5.8%、東京海上日動火災保険の3.2%、そして信託銀行を通じて保有する三井住友銀行が3%と続く。

一方、創業者会長の大塚勝久氏の持ち分は18%。対抗する娘の大塚久美子社長は、9.7%を保有する資産管理会社を支配下に置く。

金融機関が保有する議決権は「大票田」となっており、勝負の帰すうを決めかねない。すでに会長側と社長側は双方が入り乱れて水面下で主要株主に接触し、自陣営へ取り込もうと必死の説得を繰り返している。

金融機関のうち、ブランデスは10日、保有する10.7%のうち半数以上を売却し、持ち分が4.8%に減少したとする大量保有変更報告書を提出。同時に会社提案に賛同することを表明した。

これにより、議決権として確定している10.7%が久美子社長側に回ることが確定した。

大塚家具の株価は、会長と社長の対立が表面化した2月下旬以降、1100円台から一時2000円超まで急騰。「この間に売り抜けた」と市場関係者はみる。

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